共通点は治療の枠組み

認知療法、認知行動療法CBT、精神力動的対人関係療法PIT、力動的対人関係療法DIT、認知分析療法CAT、

Dialectical behavior therapy、Solution focused brief therapy
などを並べてみるとたしかにどれも
CBTをベンチマークにしていて
CBTと同等の効果があると統計的に主張する
しかし統計処理の手順は微妙に複雑で
まず対象患者を選択するときに随分と条件をつけて範囲を限定する
合併疾患がないこととか薬剤を使用していない・または使っていても少量であることとか
料金や時間やホームワークなど治療構造を守れる人とか
ここまで絞ったら
あとはどの治療法でも効果はあるだろうと思われるくらい
きっちりと絞り込む
治りそうもない人というのは先に分かっていて
除外してしまう
あからさまにそのようなことは言わずに
治療構造とか治療契約であるとか言う
むしろ知りたいのは、この範囲に入らない難しい症例で、それでも治りますという報告が欲しいのだけれど
そんなものはなくて
おおむねCBTと同等なのである
薬物とCBTはもちろん同等ではない
ファーストチョイスはどのプロとコールでも薬物である
効果がない場合、薬剤変更、薬剤増量、CBTなどの選択肢が示される
薬剤に対して拒否があったり、妊娠を考慮して非常に慎重にという場合もある
妊娠に関しては、薬剤を使わずに母胎が不安定になった場合に、総合して利益があるかどうか考える必要がある
薬剤を拒否する場合には、そのこと自体が認知の特性を表現しているだろうと考えられる
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治療の枠組みを守れる人というのは
それを守っているということ自体が
精神療法になっているのだろうと思う
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このあたりがその話
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04-9
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04-8
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04-4
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04-3
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04-2
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04-1
http://shinagawasn.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
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精神療法において
内容ではなく形式というのは昔からの話題
だってそうでないと
治療者は人生の達人と言うことになるけれど
そんなはずはない
お金儲けの達人が
極意を4000円とかでレクチャーするのに似ていて
ああ、苦労しているなあと理解できる
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認知行動療法ではいろいろな独特の用語とか前提となる考え方が出てきて
それは本当にあるんですかとか
そのようなものを前提する必然性があるのですかという話になるが
まあ、それはあまり厳しく言わないで
とりあえず話を聞いてみる
すると、脳科学系ならばそれなりに脳科学の言葉に翻訳できるし
分析ならば分析的な概念に翻訳できるし
その程度に相互に翻訳可能な程度の話になっているので
理解はできると思う
所々で怪しいのだが
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相互に翻訳可能であるということは
共通部分と言うことだ
ーー
逆にある特殊な病態に特殊な治療法が特異的に有効であるという場合
原因メカニズムの推定に大変役立つ
それをみんな首を長くして待ち望んでいる
ーー
これも昔からの考え方であるが
精神疾患というものは
精神の内容ではなくて
精神の構造に問題があるのだとの考え方がある
構造を治療しようとして、精神の内容を語っているのは、根本的に間違いだろうと思われる
精神の構造にアプローチするには
治療構造だと言うことになり
どれも似たような構造を採用する
そのほかには医療費の関係がある
支払いの会社が最大のベネフィットで最小のコストと認定したポイントがあり
その形式を踏めば、同様の支払いがなされるはずであるという事になる
それを日本という国はおもしろいことに直輸入している
大変に不思議な国の不思議な人たちである