新型コロナウィルス・家族内感染の予防のポイント 感冒様症状での⾃宅療養中の家族内感染の予防策

新型コロナウィルス・家族内感染の予防のポイント
感冒様症状での⾃宅療養中の家族内感染の予防策
・感冒様症状の患者はできる限り家族との接触を避け,療養する部屋も分ける.
・看病が必要な場合は,看病する⼈を限定する(1 ⼈が望ましい).ただし,⾼齢者,基礎疾患を有する患者⼜は妊娠中の⼥性には看病させない.
・ 患者と家族はタオルを共有せず,別のものを使う.
・ 患者の⼊浴は最後にする.
・ 療養する部屋から患者が出るときは,マスクをつけ,部屋を出る直前にアルコール⼿指消毒をする.
・ 患者が触った箇所(ドアノブや⼿すりなど)をアルコールを浸した紙で拭き取り消毒し,拭き取った紙は再利⽤せずすぐにゴミ箱に捨てる.
・定期的に部屋の窓を開けて換気する.(⽬安:1-2 時間に⼀度,5-10 分間程度)
・患者が使った⾐類やシーツを洗濯する際は,⼿袋とマスクをつけて洗濯物を扱い,洗濯後には⼗分に乾燥させる.
・患者が出すゴミはビニール袋等に⼊れ,しっかりと⼝を縛って密閉してから部屋の外に出す.ゴミを扱った直後はしっかり⼿洗いする.
(日本プライマリ・ケア連合学会)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の⼿引き2020-3-11
新型コロナウイルス感染症の経過には,
1. 感染から約 5 ⽇間(1〜14 ⽇間)の潜伏期を経て,
2. 感冒様症状(発熱,咳,喀痰,咽頭痛,⿐汁等),倦怠感等が出現し,
3. ⼀部の患者では嘔吐,下痢などの消化器症状を呈することもあり,
4. それら症状が⽐較的⻑く,約 7 ⽇間持続する
という特徴があります.
特に倦怠感については,
・発熱(体温)がそれほど⾼くないのに倦怠感が強いことがある
という特徴もあります.
また,普通感冒(かぜ)やインフルエンザ,急性胃腸炎(ノロウイルス感染症など)では
発症から 3〜4 ⽇⽬までをピークに改善傾向に転じるのが⼀般的ですが,新型コロナウイル
ス感染症ではそれらよりも症状が⻑く経過するという点で異なります.
さらに,症状が 7 ⽇間前後続いた後に,次のような経過をたどります.
5. 約 8 割の患者は,⾃然に軽快して治癒する
6. 約 2 割の患者は,肺炎を合併する.特に,⾼齢者や基礎疾患がある場合は肺炎を
合併しやすい
7. 肺炎に進展した患者のさらに⼀部が,重症化して集中治療や⼈⼯呼吸を要する
普通感冒,インフルエンザ,急性胃腸炎のいずれも,肺炎等の⼊院を要する状態に⾄るこ
とは⽐較的稀です.⼊院を要するような肺炎を約 2 割という⾼い確率で合併するのが,新型
コロナウイルス感染症の特徴です.
ただし,新型コロナウイルス感染症であっても発症 7 ⽇以内の早いタイミングで肺炎に
⾄ることもあるため,慎重に経過を追うことが必要です.特に,⾼齢者や基礎疾患を有する
患者⼜は妊娠中の⼥性では,発症直後に肺炎に⾄ることもあるため要注意です.