こころの薬箱 心療内科とは何か

心療内科とは何か
「心療」とはなんですか?
「心療」は「心理療法」の省略形です。いろいろな症状を心理療法(カウンセリング)も使いな
がら解決する場所です。
医学的治療を分類すると、
(1)薬物療法(西洋薬、和漢薬)、
(2)手術、
(3)心理療法・カウンセリング(精神療法ともいいます)、
(4)物理療法(省略して物療)
などがあります。
自律訓練法とは?
緊張しすぎる傾向のある人に、緊張を自分でコントロールする方法としてお勧めする方法です。
簡単・安全・無害です。不安傾向の高い人、緊張しすぎる人、パニック障害の傾向のある人など
に適しています。お気軽にどうぞ。
わたしみたいな症状で心療内科に行ってもいいでしょうか。それとも精神科か内科に行ったほう
がいいのでしょうか。そのへんがよく分かりません。
事情があって本人が行けないときはどうしようもないですか?
ご本人の相談でなくてもおいで下さい。家族の誰かに関する相談もおいで下さい。ご本人が困っ
ているが相談に行きたくないという場合もあります。ご本人よりもまわりの人が困っているとい
う場合もあります。たとえば、お子さんの不登校や引きこもり、ご主人のアルコール問題、ご家
族のうつ状態、パニック障害、性格の不一致、離婚問題のこじれ、老年期の物忘れなどが、家族
相談として多いようです。
どうしたらいいか分からないときの、はじめの相談窓口として利用して下さい。難しいことは気
にせず、まずいらして下さい。あなたにぴったりの相談窓口はどこか、まずそこから相談しまし
ょう。もしわたしたちではあまりお力になれないとしても、悩みの内容や家族の事情、交通の
都合、これまでに相談した人、これまでに読んだ本、そうしたことを考慮して、どのようなとこ
ろで相談したらよいかをお勧めします。また、身体的な病気の検査をまずお勧めすることもあり
ます。
料金は?
保険診療の場合、各種保険取り扱いでおよそ1500円から5000円くらいが多いようです。バイア
グラ、レビトラ、低用量ピルは自費です。臨床心理士のカウンセリングは自費の扱いです。
心理方面の診断というと、「性格が悪い」とか、「心理的に異常だ」とか診断されるのでしょうか?
そうではありません。まずストレス診断をしましょう。心理的診断では、「どのような種類のス
トレスがどの程度あるか、そしてその人の心はストレスに対してどのように反応しているか」、
つまりストレス診断が中心になります。
ストレスと性格の関係について教えて下さい。
どのようなストレスがつらいかは人によってさまざまです。たとえば、忙しいことが大変苦痛で
あると感じている人がいます。その逆に暇になると苦しくて仕方のない人もいます。また、大勢
の人と一緒にいるとつらく感じる人もいます。その逆に一人でいるとつらく感じる人もいます。
つまり性格の違いによって、どのようなストレスが特につらいかが違ってくるのです。そういう
意味で性格を把握します。性格がいいとか悪いとか診断するのではありません。ストレスとどう
関係しているかを検討しましょう。
精神の異常を何度かの面接で決められるのですか?
そうですね。簡単に決められるものではありません。そのような裁判所の決定のような診断をす
るのではないのです。あなたが何がつらいかが問題なのです。私たちにとって、「何が本人にと
ってつらいか」が問題なのです。私たちは裁判所でも警察でもないのですから、この人は異常だ
と判断するのではありません。本人がつらければ助けになりたいし、本人がつらくなければ、何
もしません。それが根本です。心理が異常かどうかではなくて、むしろあなたの置かれている環
境がどの程度のストレスであるか、診断することが大切でしょう。
カウンセリングをしても、客観的な事態は変わらないのに、なぜ有効なのですか?
とてもつらいとき、弱音を吐いたらいけないと思う人がいます。自分が重大と思うことことほど
一人で悩んでしまう人がいます。「こんなに大変な状況に置かれたならば、あなたでなくても誰
でもうつ状態になりますよ」といった感想を申し上げる場合も多いのです。自分の状況がつらい
ほど、弱音を吐いたらいけないと思い続ける傾向があります。自分が重大と思うことほど、自分
一人だけで悩み続ける傾向があるのです。そんなときに、自分の置かれた状況をもう一度見つめ
なおしてみましょう。そのためにカウンセリングをしましょう。あなたは一人ではないのです。