小池百合子知事は民意が、われわれ都民が選んだリーダーですが、森喜朗会長は民意によって選ばれたトップではありません。この一点だけでも、正統性は小池百合子知事にあります。
そもそも森喜朗氏が五輪組織委員会に就任したのは、2014年1月14日。猪瀬知事が退任されたのが2013年末で、舛添知事が誕生したのは2014年2月です。
見事なまでに東京都の政治的リーダーが不在の期間に、ブラックボックスの中でこれほど重要な人事が行われました。
そして、不可解な形でスピード辞任に追い込まれた猪瀬知事こそが、
「組織委の人事は東京都とJOCで決める」
「森元首相の話はどこから出たか知らないが、全然議題に上がっていない」
と、誰よりも強く森喜朗氏の会長就任に反対していたのです。
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確かに、すでに名前も上がっている内田茂氏は大物です。
ですが、本当に彼「だけ」が都議会を牛耳っているドンなのか。
猪瀬氏が徳洲会事件で失脚した時のことを思い出してください。
すべての始まりは猪瀬氏が五輪組織委員会の会長人事において、
官邸主導で森喜朗氏の名前が取り沙汰された際に
「組織委は東京都とJOCで決める」
「森元首相の話はどこから出たか知らないが、全然議題に上がっていない」
と森喜朗氏の会長就任を全否定、トップに民間人を据えようと画策したことでした。
これが2013年9月~10月のことです。
これはまさしく、「オリンピック利権」に正面から切り込んだことに他なりません。
ほどなく徳洲会事件が表面化し、内田茂氏を中心とする都議会自民党によって
猪瀬氏は年末を待たずにスピード退陣することになりました。
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となれば実は小池百合子氏が切り込もうと思っている「本丸」は、
「五輪関連 予算・運営の適正化」
ではないでしょうか。
新国立競技場を始めとして五輪関連の予算膨張は留まることを知らず、
すでに当初予算の数倍に及ぶ2兆円~3兆円規模とも報じられています。
様々な報道が飛び交う中、都議会議員にすらその実態は説明されていません。
にも関わらず、どこからか出てきた数字が突然「予算化」され、
億単位の事業がトントンと進んでいく。まさに最大の「ブラックボックス」です。
これで話は終わらない。3月22日平成28年度東京都予算特別委員会最終日前日の、自民党秋田一郎都議会議員のしめくくり総括質疑にて、大会組織委員会が負担することになっている仮設会場有明体操競技場について、突如として都が方針変更、大会後は都が引き取り、中小企業振興の一貫として展示場とし、4億8千万円を負担することが判明した。国民やマスコミが注目しやすい、オリンピック・パラリンピック予算ではなく、産業労働局予算「国際展示場の運営費等」約200億円の中にもぐりこませていたのだ。
引用元:「タダ貸し」の次は「肩代わり」?オリパラにどこまで注ぎ込む都民の血税?!(上田令子ブログ)
http://blog.livedoor.jp/edomam/archives/52366667.html
オリンピック・パラリンピックに象徴される利権構造と、
そしてこの利権を都議会にもたらしているのは果たして誰なのか。
これが明らかにされない限り、都政の闇が晴れることはありません。
まあぶっちゃけ、森喜朗さん(及びその周辺)だと思うんですけどね。