"Spotifyは初期、「無料で聴き放題と言っても、何百万曲もあったら何を聴いていいのか、わからない」という不満が集まりやすかった。そこでエックは、ミックステープ文化を復活させた。それがsharemyplaylist.comのようなソーシャル・プレイリストだ。
Spotifyを特徴付けるプレイリスト文化は、Walkmanの創り上げたミックステープの交換コを、ウェブサービスに焼き直したサービスだ。
現在、Spotifyのプレイリストは10億枚に達する。そのうちの半数以上が、他人に聴かれたプレイリストだという。
「自分の好きな曲を聴くことよりも、自分のおすすめ曲を友だちがよろこんでくれたときの方が、もっと楽しい」
Facebookのザッカーバーグはソーシャル・ミュージックの本質をこう説明したことがある。それは「自分だけ楽しいときよりも、人を喜ばせたときの方がもっと楽しい」という人間の変わらぬ本質から来ている。
Walkmanのミックステープ文化は、「他人を喜ばせると楽しい」という人間の本質に依って立っていた。この人間のエンタテインメントな性質を、FacebookとSpotifyは再発見したのだ。"