ミトコンドリア・イブ 日本人においてはその95%が、たった「9人の母親」の子孫

島国である日本の民がかつて、大陸から海を渡ってやって来たことは、確か子どものころに教科書で習った気がする。でも、本当のところ、日本人はどこから来たのだろう?そんな疑問は、進歩した現代の「遺伝子研究」で、かなりはっきりと知ることができるようだ。
母親からのみ遺伝するDNAである「ミトコンドリアDNA」を検査して母方の家系を辿ると、「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれる「ある一人の女性」に辿り着くという。そのたった一人の女性が果たして、聖書に登場する「イブ」であるかどうかは不明だが、人類はこの女性の家系から「ミトコンドリアDNA」の突然変異を繰り返し、派生してきたのだそう。そして、現代の世界の人々はおよそ35人の母親の子孫であることがわかっており、日本人においてはその95%が、たった「9人の母親」の子孫であるというから驚きだ。
その「母親」たちに由来するグループを「ハプログループ」と呼ぶ。日本人の「ハプログループ」で最も多いのは「東アジア最大集団」で日本人の35%がここに属するという。次に多いのが「太平洋を渡った日本最初の移住民」(約10~20%)と、「幻の陸地スンダランドの末裔?」(15%)だそう。スンダランドとは、氷河期にタイ中央部に存在し、水没してしまった陸地である。