マンションバブルの終わり

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「私がかねて指摘してきた、不動産市場の“『の』の字現象”が顕著になってきました。東京の山手線内と城南、湾岸エリアの局地的バブルが、川崎市の武蔵小杉周辺、横浜のみなとみらい地区まで波及し、これが八王子→多摩→高尾を通過すると、埼玉の大宮、越谷付近をグルッと回り、最後は千葉県にたどりついてドーンとバブルがはじけるという理屈です。点をつなぐとちょうど『の』の字になります。平成バブルとまったく同じ現象が起きましたが、今は大宮あたりまでバブルが波及しています。崩壊まで秒読み段階に入りました」
 先週は公示地価が8年ぶりに上昇したというニュースが流れたが、危険な兆候は他にもある。先月、今年1月まで19カ月連続で上昇が続いていた東京23区の中古マンションの値上がりがピタリと止まった。中でも局地バブルが発生した都心3区(千代田区、中央区、港区)は昨年12月に下げに転じている。マンション市場が供給過剰に陥りつつあるのに、アベノミクスが始まった4年前に着工した新築物件がこれから大量に出回り始める。
「日本はまさに“いつか来た道”をたどり始めているのかもしれません。高尾駅はJRと京王電鉄の2路線が使えるので、利便性が良さそうに見えますが、中央特快で新宿まで約45分、東京まで約1時間もかかる。20年後、3500万円の新築マンションが500万円で売却できたら御の字でしょう。買った当座はいいけれど、多くの人がローンに苦しむことになりそうです。日銀のマイナス金利で住宅ローンの審査が甘くなって喜んでいる若い世代は十分に気を付けてください」
 赤羽や板橋あたりにも75平方メートルで3500万円くらいの中古マンションがゴロゴロある。「豊かな自然を満喫できる」とか甘言に惑わされ、郊外の僻地の物件をつかまされたら、残るのは後悔とローン地獄だけだ。
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