うどん発電

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池津さんがはじめた“うどん発電”とは、廃棄されたうどんを使い、それを発酵させてメタンガスを発生させ、ガスを燃やしてタービンを回し発電するというものです。
うどんは元々小麦粉で糖分が多く、野菜などに比べるとガスが倍くらい発生するので、この発電には向いているものとのこと。廃棄される生ごみでも野菜だけではガスは発生しにくく、肉や魚が入るとガスが発生しやすくなる。人間が食べて栄養分のあるものは、ガスが発生しやすいんだそうです。
ちよだ製作所が去年春に作り、去年の冬から売電をしているプラントでは、最大1日3トンの麺を処理して1日600kWの電力を発電。年間最大18万キロワットを発電出来るそうで、年間約700万円の売電収入が得られるプラントです。ちよだ製作所は、10年前から食品廃棄物からメタン発酵したエネルギーを使う研究を開始していたそうです。そして4年前に冷凍うどんを作っている会社から廃棄されるうどんが多く出るのでどうにか有効的に使えないかという話があり、県の食品研究所と産業技術総合研究所からも相談を受け、うどんからエタノールとメタン発酵させたエネルギーを作る研究を開始。これがうどん発電をはじめるきっかけになったそうです。
池津さんがうどん発電をする上での出会いは、この冷凍うどんを作っている会社の人と産業技術総合研究所の阿部さん。この話を聞いた時には、おもしろいと感じすぐに引き受けたそうです。現在は“うどん循環まるごとコンソシアム”というプロジェクトを立ち上げて、うどん屋さんから出るうどんの食べ残しや切れ端を回収して発電をしています。そしてうどんを発酵させた残渣、消化液が有機肥料として農業に使えるんだそうです。その肥料を麦やネギに使いうどんの原料にする。まさにうどんがまるごと循環するシステムです。
現在日本では、700万トンから800万トンの生ごみが焼却されているそうで、ある大手の試算では、それをエネルギーに変えれば、100万トンの原油(石油)を節約出来るとのこと。池津さんはその焼却に使われるエネルギーを再生可能エネルギーとして使われるようにしていきたいそうです。そしてこの取り組みを広めるために興味を持ってくれている自治体に協力してくれる企業を紹介して欲しいと呼びかけているそうです。技術的な協力をしてあとは独立してやってもらう。そうやってこのシステムを増やすことで、自分たちだけでやるよりももっと大きな広がりになっていくからと話してくれました。
ちよだ製作所についての詳しいこと、問い合わせなどは下記HPから。
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「ちよだ製作所」
HP:http://www.chiyoda-mfg.jp
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