“日米が「同盟関係」にあるというのは不正確な言い方です。誰が何を言おうが、日本はアメリカの従属国です。日米関係は双務的な関係ではなく、宗主国と従属国の関係です。日本政府は、外交についても国防についても、エネルギーや食糧や医療についてさえ重要政策を自己決定する権限を持たされていない。年次改革要望書や日米合同委員会やアーミテージ・ナイ・レポートなどを通じてアメリカが要求してくる政策を日本の統治者たちはひたすら忠実に実行してきた。その速度と効率が日本国内におけるキャリア形成と同期している。つまり、アメリカの要求

"日米が「同盟関係」にあるというのは不正確な言い方です。誰が何を言おうが、日本はアメリカの従属国です。日米関係は双務的な関係ではなく、宗主国と従属国の関係です。日本政府は、外交についても国防についても、エネルギーや食糧や医療についてさえ重要政策を自己決定する権限を持たされていない。年次改革要望書や日米合同委員会やアーミテージ・ナイ・レポートなどを通じてアメリカが要求してくる政策を日本の統治者たちはひたすら忠実に実行してきた。その速度と効率が日本国内におけるキャリア形成と同期している。つまり、アメリカの要求をできる限り迅速かつ忠実に物質化できる政治家、官僚、学者、企業人、ジャーナリストたちだけが国内の位階制の上位に就ける、そういう構造が70年かけて出来上がってしまった。アメリカの国益を最優先的に配慮できる人間しか日本の統治システムの管理運営にかかわれない。
アメリカの軍事行動に無批判に追随してゆくという誓約さえすればアメリカは日本が「戦争ができる国」になることを認めてくれる。それが政府の言う「安全保障環境の変化」という言葉の実質的な意味です。そこまでアメリカは国力が低下しているということです。軍事関係の「汚れ仕事」を誰かに押しつけたいと思っている。だから、アメリカの「下請け仕事」を引き受けるから、それを引き替えに「戦争ができる国」になることを許可してくれ、安倍政権はアメリカにそう懇願しているのです。"