1995年に放送し、大きな反響を呼んだNHKスペシャル「映像の世紀」
第10集 民族の悲劇果てしなく
冷戦終結、ソ連が崩壊した後、世界に再燃した民族紛争や内戦は、再び膨大な数の難民を生み出している。この難民問題は、植民地支配に対する民族運動の勃興(ぼっこう)、2度の世界大戦、社会主義国家の誕生と衰退などに端を発しており、20世紀始まって以来の最大の課題となっている。第10集では、今世紀初頭の映像を織り込み、国家に翻弄(ほんろう)される人々の絶え間ない民族対立の悲劇を伝える。
セルビアとクロアチア、パレスチナ難民、インドシナ難民など。映像はほぼすべてが戦争と死体のような気がした。やりきれない。
何という巨大な不幸。その構造と原因を見ていくと解決を構想することも困難であるように感じる。しかしまた、日本も戦国時代の混乱から一応の平和に至ることが出来たことを考えれば、人類全体としても何とかなるものなのかもしれない。
そのためにも共通の言語、共通の歴史感、価値観、宗教観などができあがればよいのだが。それが客観的に正しくなくてもよい、共有できるものであるならば、という考えもまたあるのではないだろうか。