“(オシム監督が2007年11月に脳梗塞で倒れ、命にもかかわる状況でありながら、家族が快復を信じてきわめて冷静に看病していたことをうけて) 僕は、その冷静さについて、彼らには一度生き別れたという戦争経験があり、それで精神的に強くなったからだろう、とは書きたくはない。なぜなら、僕がオシムに半生を聞きこんだ中でもっとも感銘をうけたのは、こんな問答だったからだ。 ーー監督は、目をおおいたくなるような隣人殺しの紛争を乗りこえた。試合中になにが起こっても動じない精神は、そこで身に付いたのではないですか? 「たし
“(オシム監督が2007年11月に脳梗塞で倒れ、命にもかかわる状況でありながら、家族が快復を信じてきわめて冷静に看病していたことをうけて) 僕は、その冷静さについて、彼らには一度生き別れたという戦争経験があり、それで精神的に強くなったからだ...