自己効力感

心理学者アルバート・バンデューラは、自己効力感(やればできるという感覚で、仕事を楽しむ姿勢の根幹にあるもの)を持てるようになるためには、4つの要因があると述べています。(1)小さな成功体験をコツコツと積み重ねる(達成経験)。(2)他人を観察して、他人ができていて、自分ができそうなことを探す(代理経験)。(3)「君ならできる」と励ましてくれる人を探す(言語的説得)。(4)何が気分を楽にして、何が不安をもたらすか、自分の心理状態をモニタリングする(生理的情緒的効用)。
この理論をヒントに、楽しめない要因を考えてみると下記のようになります。
(1)成功体験が積めない(2)ロールモデルがいない(3)正しいフィードバックが得られない(4)自分の心理状態を見つめていない
いかがでしょうか。4つのうち、(1)と(4)は自分に原因があるセルフ要因で、(2)と(3)は他者に原因があるソーシャル要因です。仕事を楽しめないのは、単に自分自身のやる気や意識だけの問題ではなく、実は同じくらい、社会環境的な要因も大きいのです。
自己啓発書などには、「自分の見方が変われば世界が変わる」といったことが書かれていたりしますが、マインドセットを転換するだけで現状を劇的に変える、ということはなかなか難しいものです。