欠点から先に口をついて出る

“誰かのアイデアを聞いたり、作品を見たりしたとき、欠点から先に口をついて出るようでは、かなり深刻だと思う。マイナスから探しはじめる人間の世界は、灰色の雲に覆われている。アニメを見ていて感じるが、「こういう声で話さなければならない」と声優たちが自らを縛り、結果としてどのアニメも似たように見える。似たような劇に聞こえる。その程度の劇で表現しきれてしまう、「関係者みんなが安心する」脚本なのだろう。僕らの社会は、「こんなことを言ったら、自分だけ孤立してしまうのではないか」と恐れすぎ、自粛・萎縮という悪癖が、創作の世界にも侵入してきていると感じる。”