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たとえば怒りを感じると、当然のことですが拳を握り締めたり、呼吸が荒くなったり、肩を怒らせるといった身体の変化も生じます。
これを逆に利用して、怒っていることを意識したら手をパーの状態にしてみる、呼吸のペースを長くする、肩をならして上半身から力を抜いてみると、いきなり感情のゲージが下がって制御が楽になります。
思った以上に心の動きにはこうした身体と連動した「ハンドル」がたくさんあります。気分の沈み込みとため息の数、警戒心と腕組みの姿勢、嫌悪感と顔の表情などです。こうした自分のくせがわかったら、このつながりを逆に使うことで逆の感情を演出することができるわけです。
これも一種のゲームの感覚で実行するのがよいでしょう。怒りを制御するゲーム、嫌悪を顔に出さないようにするゲームです。
ただ、この手法はあくまで自分にとって望ましくないと思っている感情を制御するためのもので、感情を抑圧した機械になるための方法ではないことは留意してください。時には怒りをただ鎮めるよりも、コミカルに表出することで相手に伝えた方が良い場合だってあるのですから。
心を変えること、それは自分という OS のルック・アンド・フィールを変えることともいえます。目指すは Mac OS X のような洗練された自分の表現方法、というわけです。
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