成人の4人に1人が自殺を考えたことがあることが、厚生労働省の調査で分かった

 成人の4人に1人が自殺を考えたことがあることが、厚生労働省の調査で分かった。21日に発表された意識調査で、過去に実施した2008年と12年の調査と比べて増加傾向にある。別の統計によると自殺者数は減っているが、厚労省は自殺に陥るリスクは根強いとみて対策を検討する。
 調査は昨年10月に全国の20歳以上の男女3千人を対象に書面で実施。2019人から回答があった。それによると、23・6%が「本気で自殺したいと考えたことがある」と答えた。08年の19・1%、12年の23・4%から増え続けている。
 理由は質問していないが、自殺を考えたことがある人にどう乗り越えたのかを聞いたところ、「趣味や仕事で気を紛らわせるよう努めた」(36・7%)、「身近な人に悩みを聞いてもらった」(32・1%)が多かった。悩みやストレスを感じたとき、相談や助けを求めることにためらいを感じる人は46・9%いた。
 警察庁の自殺統計(速報値)によると昨年の自殺者数は2万1764人で、7年連続で減少している。政府は今回の調査結果を踏まえ、今夏に新しい自殺総合対策大綱を閣議決定して、対策を強化する方針だ。