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この国には武士はいなくなった
その後、農民も、職人もいなくなった
そして全員が商売人になった
役人も商売だけを考えている
自分の収入と天下り先の確保
農民も商売を考えている
人々に必要な農作物ではなくて
高く売れるマンゴーとかそんなものを作る
職人も、いまは商売人である
芸術家も、当然商売人である
文筆家も、左翼運動家も、右翼も、商売人なのである
朝日新聞も岩波書店も商売人だった
医者も、政治家も、法律家も、商売人である
みんな自分の営みをお金に換算している
そんな世の中ならば、直接お金を扱う人種が一番偉いだろう
投資家とか投機家とかそんなもの、マネー経済という、どう翻訳すればいいのかよくわからないような実態
金融資本主義
職人が物を作るように
金融操作して儲けを作る
武士という種族の価値観があった
職人という種族の価値観があった
農民にもあったし、医師にもあった
それなのにいまや全員が
紀伊国屋文左衛門であり越後屋である
金の勘定よりも大切なことがあるだろうと言っても
おっしゃるとおりでおますなあ
とニヤニヤされてしまう
それでも、結局、金より強い動機はないでっしゃろ
とそろばんをはじかれている
みんなが商売人になってしまったのである
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