初めはしんみり、中はおかしく、終(しま)いは尊く

初めはしんみり、中はおかしく、終(しま)いは尊く
 (言い習わし)
 説教をするときはいつもこれを心がけていると、宗教学者でもある釈徹宗(しゃくてっしゅう)さんは言う。誰かに思いをしっかり伝えたければ、まずは心を落ちつかせ、次に心をたっぷりもみほぐして柔らかくし、そうして道を空けてから奥の方まで入ってゆく……。幼児を諭すときも学校の授業でも、こういう工夫が大事なのだろう。ひょっとしたらもがく自分に何かを言い聞かせるときも?
鷲田清一