1万人のビジネスパーソンが結婚で後悔している6つのこと ビジネスパーソンこそ知っておきたい「結婚の地雷」
ビジネスパーソンが最も後悔していることは「結婚」だった!仕事以上に人生最大の分かれ道となる結婚で、多くの人は何を後悔しているのか。1万人インタビューからわかった、後悔が集中する結婚生活の地雷と、うまくいっている夫婦の対処法を紹介する。
結婚こそ、ビジネスパーソン最大の後悔テーマ
私は新卒で入社したリクルートで新規顧客開拓部隊に配属され、中小企業の経営者や大手企業の部長クラスと面談するのが日々の業務でした。リクルート社内でも、諸先輩から少しでも売れる営業の秘策を聞き出そうと手当たり次第に聞きまくっていましたし、リクルートを退職後は、オーダーメイド型の企業研修会社を創業したことから、数多くのビジネスパーソンの生の声に触れるのが日常でした。
これまで話を聞いてきた人の累計は、軽く1万人を超えるはずです。その1万人のインタビューからわかったのは、実は多くの人が「同じ後悔」をしていたということでした。
後悔しない人生を送りたいというのは誰もが願うことだと思いますが、実際のところ、ほとんどの人は同じような失敗を繰り返し、それを悔やんでいるのです。
同じことを後悔しているというのは、多くの人が同じ壁の前で判断や選択を間違えたということです。これは反面教師以外の何ものでもありません。
1万人から聞いた後悔は、仕事から日常生活、人間関係、子育てまでさまざまですが、実は、どの年代にも共通する最大の後悔テーマこそ「結婚」です。
ビジネスパーソンにとって、人生という広い視点から考えれば、仕事以上に結婚に後悔が集まりやすいことは事実です。先人たちが自らの人生を振り返ったとき、結婚こそ良くも悪くも人生を左右した最大の要因だったという思いがあるのです。
結婚を機に人生にレバレッジをかけてグングン成長していける人と、逆に結婚によってスポイルされ、家庭でも職場でもダメになっていく人がいます。結婚こそ、人生最大の分かれ道、ターニングポイントだといえるのです。
では、結婚において、先人たちは何を後悔しているのでしょうか?
先人たちの後悔が集中する「夫婦生活」6つの食い違い
先人たちが後悔するのは、結婚前には気づかなかったちょっとした生活習慣、育った環境の違いからくる考え方のギャップ、相手に言ってしまった暴言、相手の家族との付き合い方、はたまた浮気、セックスレスにいたるまで多岐に及びます。それは分類してみると、ざっくり以下の6つになります。
(1)家事・育児の分担(2)相手の育ちや環境が与える人格不和(3)コミュニケーションの取り方(4)お金や時間に対する価値観の齟齬(5)相手の両親との付き合い(6)子育て哲学の違い
6つのカテゴリーのうち、代表的な後悔は以下のようなものです。
(1)家事・育児の分担をしておけばよかった多くの夫婦にとって、ケンカのほとんどの原因は「家事の分担問題」です。「やるといったのにやらない」「どちらかに任せっきり」という状態が慢性的になると、お互いの信頼関係は次第に壊れていきます。上手に分担するには、ルール決めがポイントになります。
(2)相手のルーツや価値観をもっと理解すればよかったお互いが十分な愛情を持って結婚したのに、どうしても習慣や考え方の違いを理解し合えないことがあります。日常生活においては、育った環境や親の影響が、知らぬところに色濃く反映されているものです。それを受け入れるには、パートナーのルーツを理解する必要があるのです。
(3)言い方をもっと考えればよかった夫婦がぶつかる大きな原因の一つに「言い方」「伝え方」があります。本当は大した問題ではないのに、相手のちょっとした一言にカチンときてケンカとなり、最終的に離婚へと発展するケースも少なくありません。夫婦といえども、お互いを肯定し合う関係づくりと、「伝える技術」を学ぶ必要は大いにありそうです。
(4)何にお金と時間を使うかの価値観が違ったお金と時間の使い方は、個人の価値観がもっとも如実に表れるところです。大切にしていることや将来に対するビジョン、休息の取り方についても、夫婦の食い違いは火種になりやすいものです。感情的にお互いの意見を主張し合うのではなく、「話し合う技術」が求められます。
(5)「相手の両親とうまく付き合えなかった」結婚の難しいところに、「当人以外の問題」があります。古くからある嫁姑問題をはじめとして、義理の親とうまくいかずに離婚する夫婦は後を絶ちません。どれだけ本人たちがうまくいっていても、結婚には相性や愛情だけでは乗り越えられない壁があるのです。
(6)子どもの教育方針について意見が合わなかった出産は結婚においても第2のターニングポイントとなります。育児においては、近年話題の「1歳危機」「産後クライシス」、子育てにおいても「叱り方」「お受験」などの考え方の違いからギスギスした関係になったり、離婚へといたる夫婦は激増しています。お互いが相手の価値観を受け入れ、変化・成長していくことが強く求められているのです。
では、次ページから、6つの後悔と、それを乗り越えた夫婦の対処法を具体的に見ていきましょう。
結婚の後悔(1)「家事・育児の分担をしておけばよかった」
家事問題は夫婦ゲンカの原因ナンバーワンです。結婚前には「家事はひと通りできる」「自分も手伝うよ」と言っていた男性が結婚後、ゴミ出しくらいしかやらなくなるのは非常に多いのが現実です。
なぜ、男性はこのような状況になってしまうのでしょうか。1万人のインタビューで面白かったのは、この辺に男性の微妙な「ソロバン勘定」が働いていることでした。
家事の分担が続かない男性は、「仕事で稼いで家族を養っている」というプライドを持っています。夫婦共働きで、お互いがどれだけ協力し合っていても、そのプライドは彼を一家の大黒柱たるものにするのに十分な威力を持っています。
毎日忙しく働き、さらにはゴミ出しまでやっているのだからそれで十分だろうというソロバン勘定があるのです。ゴミ出しだけでも、十分に「割り勘」になっていると思い、それどころか、自分のほうがより負荷を担っているくらいの意識があります。
しかも、やろうと思っていながらグズグズしているときに頼まれると、つい「カチン!」とくるもので、途端に不機嫌になってトゲのある言動をして、夫婦ゲンカに発展する人が多いのです。
では、家事の分担に成功している夫婦はどうしているのでしょうか。先人たちへのインタビューから見えてきた成功例は、最初に明確な「ルール化」を行って、少しずつ男性の家事スキルを高めていくというものでした。
役割分担なのか、当番なのかといった運用ルールもさることながら、分担の理由を明確にしておくと、なし崩し的にルールが形骸化するということに歯止めがかかるようです。
例えば、共働きのある夫婦では、旦那さんが洗濯を担当し、回数も週2回と決めて運用しています。あるいは料理でも、先に帰ったほうが食事の準備をすると決め、料理が苦手な旦那さんが先の場合は負担を減らせるように、携帯メールでやり取りしながら奥さん中心で献立を決めるとか、ごはんと主菜のしたごしらえだけやるといったルールを決めています。
緊急時やどうしても忙しいときの、「例外ルール」を設けたことでうまくいったという夫婦もいます。忙しいを言い訳にすると、次第になしくずし的になってしまうので、最初から肩たたき券のような「免罪符」を物理的なカードでつくっておいたり、買い取り制にして、どうしてもやりたくないときは相手に販売するというのも、楽しく実行するルールのようです。
結婚の後悔(2)「相手のルーツや価値観をもっと理解すればよかった」
離婚原因ナンバーワンは男女、世代を問わず「性格の不一致」ですが、最初から性格がピッタリ一致することなどあり得ません。相手に好感を持てば許容量が増しますから、みんな性格が合って結婚したように錯覚しているのです。
交際の段階で、性格が合わない、そりが合わない、生理的にダメというマイナス部分はある程度明らかになりますから、結婚を決断した以上は性格の一致、不一致はクリアしているはずです。
それなのに、なぜ結婚後に「こんなはずじゃなかった」という後悔に遭遇するのでしょうか。1万人インタビューの後悔を総合すると、どうやら性格の不一致というより、価値観の不一致、もっと正確に言うなら「相手の価値観の理解不足」にあるようです。
性格同様、個人の価値観がピッタリ一致することなどあり得ません。仕事観、教育哲学、モラルに関しての価値観は一致するけれど、金銭感覚が合わないというように、各カテゴリーによって「一致するもの」と「一致しないもの」があるはずです。
その一致していないこと、つまり自分の価値観や常識を一方的に押し付けてしまったことによって、相手にはストレスが鬱積していき、ある時点で臨界点を超えて爆発するというのがお約束の破局パターンです。価値観というのは、育った環境によって育まれていることも多いので、非常に根が深い問題です。
価値観や常識は押し付け合わない。新しい家庭の基準をつくる「ベクトル合わせ」
例えば、30代後半のHさん夫婦の場合、Hさんは裕福な経営者の娘として生まれ育ち、旦那さんは商店街の飲食店で生まれ育ちました。
恋愛結婚でしたが、結婚を決める段階で、Hさんはお母さんから「生活レベルが違い過ぎるから、結婚して苦労する」と助言されたそうです。Hさんは、それを気にもせず結婚したのですが、お母さんの助言が現実となったのは、子どもが生まれてからです。
Hさんは欲しいものは必要である限りはいつでも買ってもらえる環境で育ったため、自分の子どもにもかわいいと思った服や欲しがるおもちゃをその都度買っていたそうです。けれど、旦那さんから「なんでそんな高いもの買っちゃうの!」と怒られたと言います。
欲しいものは誕生日かクリスマスプレゼントでしかもらったことのない旦那さんには、自分だって欲しいものをずっと我慢してきたのに、子どもに何でも買い与える習慣は贅沢過ぎるのではないか、子どもに我慢を教えられず、甘やかしてしまうのではないか、と映ったのでした。
まさに「育ち」の違いで、悪意に解釈すれば、Hさんからみれば旦那さんは「ケチ」な人間ですし、逆に旦那さんからみれば、Hさんは「浪費家」なのです。Hさんと旦那さんを逆にしたパターンも含め、こうした金銭感覚の違いが夫婦関係をギスギスさせてしまった例は数多くあります。
そのため、後から相手の価値観をもっと理解しておけばよかったと後悔する人が多いのですが、問題は「価値観を見抜けなかった」からではありません。相手の価値観への「理解不足」なのです。
Hさんはそのことに気づいて、買う前に旦那さんに相談するようにしたそうです。それも旦那さんの視点に立って、彼が言うであろうことを先に自分から言うようにしたのです。
例えば、「(子どもが)○○を欲しがっているんだけど、高いけど買う?」という言い方で相談すると、「高いけど、欲しいって言ってるんだから、買うか」と旦那さんの反応は180度変わったそうです。
旦那さんは相談もなく、一方的にHさんの価値観や常識を押し付けられることに違和感を持っていたのです。Hさんから相談され、話し合って決めるというプロセスを経ることで、Hさんの常識でもなく旦那さんの常識でもない、H家としてのベクトル合わせができたわけです。
結婚生活はどちらかの価値観を押し付けるのではなく、無限のベクトル合わせをしていかないと、早晩どちらかのストレスが爆発することにもなります。その第一歩は、お互いの価値観をきちんと理解することから始まるのです。
結婚の後悔(3)「言い方をもっと考えればよかった」
コミュニケーションの取り方においてポイントとなるのは、お互いの「言い方」です。夫婦ゲンカの引き金というのは、だいたい「相手の言い方」にカチンときたことから炎上してしまうことがほとんどです。
例えば、男性の言いがちな「結論から言ってくれるかな」とか「それってこういうこと?」などは、女性を怒らせるNGワードの代表格ですので、過去に大変な思いをした男性も少なくないはずです。
最近ではあまりないかもしれませんが、「俺が一家を食わせている」「俺の時給をいくらだと思ってるんだ」という迷文句で別居した先輩たちもいるくらいです。
一方、奥さんから旦那さんへのNGワードの最右翼は「○○してくれる?」「ちょっとは×××してくれない?」といった依頼のフレーズです。
この言葉の破壊力に気づいている女性は多くないかもしれませんが、男性の多くは些細なことでも依頼されるのが大嫌いで、ちょっと何かを頼まれただけでも、それを負担に感じて、ストレスが急上昇するのです。
すでに破局してしまいましたが、Iさんも旦那さんへの言い方をもっと考えればよかったと後悔している一人です。ある時、スーパーに行こうと歩いていたIさんは偶然、クルマで通りかかった旦那さんを発見し、停車してもらったそうです。ラッキーと思って、「スーパーに行くんだけど、乗っけてって」とニコニコ言ったIさんでしたが、返ってきたのは「えっー」という短い返事と、いかにも嫌そうな表情だったのです。
旦那さんがその後、どんな予定があったのかはわかりませんが、女性からすれば、このリアクションに心が狭いと思うのは当然かもしれません。しかし、実際にこの場面でIさんの旦那さんと同じリアクションを取る男性は、女性がビックリするくらいに多いのです。
言い方において、もしIさんがその後の旦那さんの予定や、そのときに急いでいるのかどうかを慮るフレーズがあれば、お互いに不愉快な思いをせずに済んだかもしれません。Iさんは旦那さんの状況を無視して依頼フレーズを使ったわけですが、旦那さんからすれば、気分的にどうしても一人でいたい理由があったのかもしれません。
人を動かすコツ夫婦間でも「技術」が必要
一方で、男性の微妙な心理を心得ていたIさんの友人Jさんは、結婚当初から旦那さんに対して、「絶対に依頼と指摘だけはしない」と決めていたそうです。仕事でプロジェクトマネジメントのリーダーを務めていた経験から、人は誰かから依頼されると嫌がる動物だと心得ていたのです。
そのJさんは共働き夫婦でしたが、最初は洗い物やゴミ出し以外の家事を全部自分でやっていたそうです。しかし、「タマネギ刻んで、えっとブイヨンは……」とかワザとぶつぶつ独り言を言いながら、バタバタ家事をこなしていると、旦那さんが覗いてきたり、話しかけてきたりするので、そのタイミングを見逃さなかったというのです。
しかも、「○○やって」とか「×××手伝ってくれる?」という依頼のフレーズを使わず、覗き込んだ旦那さんに「鶏肉って、こうやって皮をはいで使うんだけど、やってみる?」とか、興味を持つことを徹底的に伸ばすように心掛けたといいます。しかも、「あれ、すっごい上手だね!」と大げさに褒め続けたそうです。
また、「洗濯物は干す前にパチパチ叩くとしわが伸びるのよね、これやってみる?」と言って、洗濯、掃除、料理にいたるまで範囲を広げ、結婚一〇年を過ぎるころには、旦那さんは家事のほとんどをマスターしてしまったというのです。
Jさんは、子どもや部下と一緒で「旦那は育てるもの」と言い切っています。男性側からすれば、少なからず自分の単純さに気づいていると思いますので、このJさんのやり方には感嘆するのではないでしょうか。
男性、女性に関係なく、嫌なことを依頼すれば、そこに対立軸が生まれてしまいますが、相手の好奇心や手伝わなければという自発的な意識を肯定した言い方を考えるだけで、事態は良い方向に進みます。
誰しも、自分の状況を理解されずに命令されたり、今の状況を否定されればカチンときてしまいますが、相手を尊重する「肯定力」で向き合えば、お互いが希望している方向に結果を持っていけるのです。
人を動かすというのはビジネスでも大変ことですが、工夫次第で相手に気持ちよく自発的に動いてもらうという状況はつくり出せます。面倒に思えるかもしれませんが、他者とコミュニケーションを取るということは、相手を認め、尊重するということですので、一方的な言い方にならないように気をつけましょう。
結婚の後悔(4)「何にお金と時間を使うかの価値観が違った」
夫婦間で何にお金と時間を使うのかの価値観が違うのも、結婚当初からギスギスしやすくなる問題です。やはり日常生活において、「お金」と「時間」の使い方は、お互いの価値観がもっとも如実に表れることなのです。
お金については、ちょっとしたお小遣い程度の買い物であれば大した亀裂にはなりませんが、ボーナスの使い道のようなまとまった額が動くときに、さまざまな齟齬が生まれます。
今のようなご時世だと、ほとんどの家庭は家計に余裕がないですから、限られたお金を旅行に使うのか、子どもの教育費に使うのか、住宅ローンに回すのか、クルマの買い替えに使うのか、それとも将来に対して貯蓄するのかといった使い道で意見が分かれます。住宅ローンや子どもの教育費、将来への貯蓄というのは、いったいどのくらい用意しておけばいいのかは、その人の価値観や人生観に関わる問題です。
今を楽しみたいから、貯金はしないで、好きなことに使うという生き方だってありますし、逆にそうした無計画な人生を忌み嫌う人も多くいます。夫婦間で、今を楽しみたい派と将来に備える堅実派に分かれてしまうと、そのギャップを埋めるのは、かなり困難であることを先人たちも後悔しています。
何に時間を使うかも、夫婦関係に亀裂を生みやすいテーマです。一人の時間やぼーっとする時間をものすごく大事にしたい人もいれば、それこそ無駄な時間だから何かしなければもったいないと考える人もいますし、週末に家でゆっくりしたいインドア派も、とにかく外に出たいアウトドア派もいます。
独身時代は、お金も時間も自分の好きなように使えたのに、結婚すると、それは事実上夫婦二人のものとなり、これまで以上に有限な資源という意識を持つはずです。そのことが束縛感につながったり、ともすれば犠牲と感じる人もいて、後悔になりやすいと諸先輩は語っています。
会社の決め方ルールを応用夫婦間でも「決める技術」が必要
お金と時間の使い方は、もろにその人の価値観を表しますが、相手を自分の価値観に合わせるように無理強いするのは、ケンカになるだけです。価値観というのは、その人の生き方が表れるものですので、やはりお互いが歩み寄り、「修正主義」により相手を理解したり、受け入れたりするすり合せが必要になります。
ただ、仕事のミーティングと同様に、何か決断するためには、感情的になったり、売り言葉に買い言葉にならないような「ルール決め」をしておかなければ、なかなか結論は出ません。例えば、職場のブレーンストーミングには「他人の意見を批判しない、論評しない」というルールがありますが、そのルールを用いるのもいいかもしれません。とにかく価値観が違っているのは当たり前なのですから、表現次第では必ず対立構造になってしまいます。
知り合いの、とある事業部長は「決まるまでは徹底議論、決まったら従う」という会社のルールをそのまま家庭に持ち込んで、うまくいったそうです。また、夫婦の意思決定の基準をハッキリすること、会社の会議と同様にとにかく論理的に議論するというルールも踏襲したと言っていました。
ちなみに、我が家にはプロジェクトミーティングの象徴であるような「ホワイトボード」がリビングにありますが、価値観のすり合わせという点では、意思決定の基準をハッキリさせることと、論理的に話すことの二点で、ホワイトボードを置く前と比べて衝突する回数は明らかに減りました。
例えば、臨時収入のボーナスが入ったとき、欲しいものをホワイトボードに書き出していきます。お金の使い道のアイデアを目に見えるように並べてみると、具体的に話せるようになります。
並べてみないことには、あれもやりたいこれもやりたいと自分の中でも堂々巡りが始まり、そこに相手も加わるので、とても結論など出ません。要は、お互いのアイデアを一回、外に出して客観視してみるわけです。人は言われるより書かれるほうが納得感が高いですし、他人に言われるより一緒に文字を見るほうが、不思議とお互い感情的にもなりません。
まずは思いつく限り書き出してみて、今度はそれを「やりたい順」に並べる。夫婦別々にやりたい順番をつけてみて、一致している部分を探すというような、結論の出し方にも会議のルールを参考にすれば、感情的になりがちな夫婦のエンドレスな議論を回避することができます。
結婚の後悔(5)「相手の両親とうまく付き合えなかった」
結婚後に義理の父や母の言動にストレスを抱え、我慢できずに離婚してしまった夫婦は後を絶ちません。結婚前は、結婚は当人同士の問題だから……なんて言っていた人も、結婚したとたんに家族の問題であることを痛いほど実感するようになります。
まさに結婚が相性や愛情だけでは対処できない問題であることを、このときほど感じることはないでしょう。言うまでもなく、当人をどうしようもなくイラ立たせるのは、それが愛する相手の親だからであり、強く言うこともできず、反発すれば角が立ち逆効果、受け流していても文句を言われと、逃げても逃げても追ってくるような災難で、効果的な対処法がそう簡単には見つからないからです。
また、本当はうまくやっていきたいという思いがあるからこそ、相手の両親に対する攻撃的な気持ちに自己嫌悪を覚え、ますますストレスが溜まります。一度そういう関係ができてしまうと、サンドバッグのように精神的に打たれ続けていくことになり、もはや苦痛以外の何ものでもありません。
例えば、知人のTさんも、義理の母親とそりが合わずに離婚した一人です。比較的放任主義で育ったTさんは、結婚直後から頻繁に義理母から連絡がくることを少し気にしていましたが、子どもを出産すると、次第に毎日の電話は「今度送るから」「今日送るから」「今送った」「届いた?」へとエスカレートしたそうです。
帰省するのがストレスになって、夫の実家に寄り付かなくなると、「孫は私の生きがいなのに」という電話がくるという始末。そんな折りに義理父が他界して、ついに義理母と同居することになると、家事には文句を言われ、「そんなことじゃ、孫の将来が不安だ」というセリフを言われ続け、もう限界ということで離婚を決めたそうです。
義理母とのトラブルは、嫁姑だけではありません。Wさんも、奥さんの母親とソリが合わずに離婚してしまった一人ですが、家を買うときにお奥さんの実家に援助してもらったほうがより大きな家に住むことができるという理由で悩んだ末、お義母さんと同居する選択をしました。
共働きでしたので、育児のことを考えると「ばあば」は貴重な戦力で、そういう意味ではそれぞれが助け合いながらうまくやっていこうという方向性を共有していました。しかし、義理母は少し口うるさいところもあって、徐々にほころびが出始めたといいます。
ある日、Wさんの後にお風呂に入ったお母さんが「おかしいわね、ちゃんとみんな体を洗ってからお風呂に入っているはずなのに、なんで湯船に垢が浮いているのかしら」とか、聞こえよがしに言うのだそうです。
腕枕でテレビを観ていたWさんは、これまた聞こえよがしに舌打ちを返したといいますから、これではまるで冷戦のようです。そんな事態がしばらく続き、夫婦関係もギスギスし出して、Wさんは同居を心底後悔しながら離婚してしまいました。
最難関の義理父母との付き合いも夫婦マネジメントで乗り越える
どうしてもうまくいかない相手の両親との付き合いに、対処療法的な解決策は見つかりません。毎日、義理母から連絡のくるTさんは、子どもの写真を毎日送るようにしていたといいますし、Wさんもお風呂につかるときは、できるだけ垢に気をつけたり、嫌みにならない程度に義理母との接点をなくしていたと言います。
しかし、どうしてもギスギスした関係は解消されませんでしたし、逆にどんどん精神的にはまいっていき、鬱状態になっていったそうです。
先人たちのあの手この手の解消法が惨敗に終わるのを見聞きしてきたなかで、この状態を根本的に解決する方法は二つしかないと思います。
それは、一つは「別居」することです。同居している人でどうしてもうまく行かない場合は、物理的に距離を置くしかありません。自分のモノの見方を変えるとか、相手の意見を極力受け入れるといったことを必死に実践している人でも、結果的にうまくいかないことを考えれば、やはり最後は強引に解消するしかないのです。
もう一つは、妻であれば夫を、夫であれば妻を味方にするということです。結婚によって、誰よりも相手を優先するという社会契約をしているのですが、本来ならパートナーは誰よりも自分の味方でなければなりません。
どうしても親の言動に納得がいかないときは、パートナーにその理解を促し、しっかりと言ってもらうしか解決策はありません。それができないから苦しんでいるんだという声も聞こえてきそうですが、相手の親を変えることは自分では絶対にできないのです。
パートナーに自分の苦痛を丁寧に話し、どちらが正しいかではなく、自分に味方をしてもらうように説得することしか、残念ながら先人たちも解決できていません。
相手の親とうまくいっている夫婦というのは、実は実家で相手のことを褒める人が多いというのも共通しています。いかに自分の旦那は立派か、いかに自分の妻は素晴らしいかを何度も自分の親にアピールしているのです。
一方で、うまくいかない夫婦は、親に相手の不満を言っている人です。そうすることで、親も相手に対して攻撃的になってくるのです。義理の親とうまくいくかいかないかという問題は、相性も多少関係はしますが、それ以上にパートナーが結婚をどうマネジメントしているかということに大きく左右されてもいくのです。
結婚の後悔(6)「子どもの教育方針について意見が合わなかった」
子育ては、結婚における第2フェーズとなります。出産が結婚のもう一つのターニングポイントになることは、先人の後悔からも読み取れます。
今までの夫婦間の問題に、さらに育児が加わることで、これまでのミゾがさらに開いてしまったり、逆に絆がより深まるという両極端の結果をもたらす分岐点なのです。
育児から子育てへと移り変わる中で、もっとも問題となるのが、大前提としての教育方針の違いです。これは、実は子どもの「叱り方」にもっとも象徴的に表れるのです。叱り方についてよくある悩みが、夫と妻の間で叱り方の基準が違っているということです。
例えば、妻は言うことを聞かない子どもを必死に叱るけど、夫は「子どもなんだから、そんなにガミガミ言わなくても……」という態度を取るケースです。こういうとき、子どもはたいてい「私は悪くない、悪いのはママだ」という反応になります。
叱っても叱っても、子どもがまったく言うことを聞かないと悩む人がいますが、その場合は、高確率で夫婦の叱り方が違っているのだと専門家から聞いたことがあります。親の意見が違う場合は当然、子どもは自分にとって有利な意見を聞くようになるからです。
そして、妻からすれば、夫は子育てに参加していないと同じに思え、自分ばかりが悪者になっていく精神的なつらさもあって、夫婦ゲンカに発展していきます。
また、逆のケースも頻繁に起こります。夫が必死に子どもを叱っても、妻からその意見を否定され侮辱されるようなことを言われると、子どもは父の威厳を疑問視し、父の意見を聞かなくなるようです。こちらも、子どもは親の真似をしますから、母親と父親の関係を無意識に理解しているのは当然かもしれません。
教育方針のすり合わせの前に「叱り方」の共有が大切
こうした夫婦の叱り方への違いがあると、子育ては常に壁にぶつかってしまい、夫婦ゲンカも頻繁に起こってしまうのです。教育方針については、夫婦間でいろいろな意見の違いが出てくると思いますが、その根源にはこの叱り方への相違点が関係しているらしいのです。
私は教育評論家ではありませんので、子どもの気持ちに与える影響や人格形成における効果的な叱り方というのはわかりませんが、一父親として、先人たちの後悔とアドバイスからなるほどと感じたのは、子どもの前では決して「夫婦の意見の相違を見せてはいけない」ということでした。
先人たちが言うように、どちらかが言った意見をどちらかが否定すると、子どもは混乱し、必ず都合のいいほうの意見を取るのは当たっているように思えます。ですので、まず注意したいのは、親は子どもの前ではどちらかの意見を否定せず、必ず子どもがいないところで事前に意見のすり合せをしておく必要があるのです。
会社でも、共同経営者の言う経営理念が違っていれば、社員は分裂してしまうものです。そうならないためには、お互いがどんな意見の違いがあったとしても、社員の前では口を揃えるでしょう。それは夫婦間でも同じです。
意見のすり合せというのは非常に難しいものですが、どう育てたいかという内容以前に、子どもが親の言うことを聞かなくなるという状況をつくり出さないことがコツのようです。教育方針というのは、「人に迷惑をかけずにいてほしい」とか「自分で人生を切り拓ける人間になってほしい」といったように、大局的には大きな違いが出ないものです。
しかし、そうしたビジョンを共有していても、それ以前の日常的な接し方において、お互いの態度に齟齬が生まれます。お互いがどれだけ立派な子育て理念を持っていても、それを子どもの前で批判し合っていては、その後のあらゆる議論においても実行が難しくなるのだと、子育てに失敗したと感じている先人たちから教わりました。
2015-11-11 01:22
1万人のビジネスパーソンが 結婚で後悔している6つのこと
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