戦後70年に問う―個人を尊重する国の約束 2015年8月16日(日)朝日新聞  終戦の年の秋、連合国軍総司令部(GHQ)が、日本政府の敷いていた言論統制を解いた。  作家の高見順は、日記にこう残している。  「自国の政府により当然国民に与えられるべきであった自由が与えられずに、自国を占領した他国の軍隊によって初めて自由が与えられるとは」  明治憲法下の国民は主権者の天皇に仕える「臣民」で、その権利は法律で狭められた。  日本の降伏を求めたポツダム宣言やその後のGHQの人権指令を経て、人びとは人

戦後70年に問う―個人を尊重する国の約束 2015年8月16日(日)朝日新聞  終戦の年の秋、連合国軍総司令部(GHQ)が、日本政府の敷いていた言論統制を解いた。  作家の高見順は、日記にこう残している。  「自国の政府 … Read more 戦後70年に問う―個人を尊重する国の約束 2015年8月16日(日)朝日新聞  終戦の年の秋、連合国軍総司令部(GHQ)が、日本政府の敷いていた言論統制を解いた。  作家の高見順は、日記にこう残している。  「自国の政府により当然国民に与えられるべきであった自由が与えられずに、自国を占領した他国の軍隊によって初めて自由が与えられるとは」  明治憲法下の国民は主権者の天皇に仕える「臣民」で、その権利は法律で狭められた。  日本の降伏を求めたポツダム宣言やその後のGHQの人権指令を経て、人びとは人