フランクル『夜と霧』、エリ・ヴィーゼル『夜』、プリーモ・レーヴィの『アウシュヴィッツは終わらない』『溺れるものと救われるもの』といったテクストだ。 それぞれのテクストには書き手の個性が刻印されている。『夜と霧』のフランクルはウィーン大学の大インテリ。記述はきわめて冷静であり、こういう言い方は誤解を生むかもしれないが、アウシュヴィッツという「異文化」を体験した人間の心理学的なレポートを読んでいるような気がする。『夜と霧』の原題はそのニュアンスをよく伝える。『ある心理学者の経験した強制収容所』というのだ。
採録ーーー「サナダムシが歌うダンテ」 このところ、アウシュヴィッツ体験者の文章ばかり読んでいた。フランクル『夜と霧』、エリ・ヴィーゼル『夜』、プリーモ・レーヴィの『アウシュヴィッツは終わらない』『溺れるものと救われるも … Read more フランクル『夜と霧』、エリ・ヴィーゼル『夜』、プリーモ・レーヴィの『アウシュヴィッツは終わらない』『溺れるものと救われるもの』といったテクストだ。 それぞれのテクストには書き手の個性が刻印されている。『夜と霧』のフランクルはウィーン大学の大インテリ。記述はきわめて冷静であり、こういう言い方は誤解を生むかもしれないが、アウシュヴィッツという「異文化」を体験した人間の心理学的なレポートを読んでいるような気がする。『夜と霧』の原題はそのニュアンスをよく伝える。『ある心理学者の経験した強制収容所』というのだ。