水面に浮かべて子どもが乗って遊ぶ浮き具「フロート」。海水浴で家族連れなどに人気ですが、風で沖に流され戻れなくなる事故も起きています。消費者庁は、風が強い日は使用を控えるよう呼びかけています。
海上保安庁によると、昨年、海で遊泳中におぼれたり自力で海岸に戻れなくなったりした14歳以下の子どもは70人。そのうち少なくとも7人がフロートで遊んでいた。福井県の海水浴場では、4歳の女児が流され、フロートの上に立ち上がったところバランスを崩して海に転落。
国民生活センターなどは今年5~6月、幼児の人形(身長約100センチ、体重約15キロ)を乗せたフロートが流される速度などをテストした。
プールでサーフボード型、イルカのような形、スワン型の3種類を比較したところ、背が高く風の影響を受けやすいスワン型が最も速く、サーフボード型、イルカ型の2倍以上の速さで流された。
海水浴場での実験では、風速2~4メートルのあまり強くない風でも、スワン型は2分弱で海岸から5メートルの地点から50メートルの地点まで流された。途中で大人が海岸から救助に向かったが、水深が深くなるとなかなか前に進めず、追いつけなかった。
消費者庁によると、子どもの体格に対してフロートが大きすぎると、乗った時に水面に足がつかず、自力で海岸に戻ることが難しいという。担当者は「フロートの対象年齢を確認し、保護者はフロートに乗った子どもから手を離さないでほしい」と話す。フロートから落ちた子どもがおぼれる事故を防ぐため、ライフジャケットを着せることも求めている。