怒りをコントロールする6つのやり方
どんな出来事や言動に対して怒りやすいのか。怒りには個人ごとの考え方の癖が影響する。イラっとくるポイントは人によって異なるのだ。自分の考え方の癖を知るのは、アンガーマネジメントの第一歩となる。
表の12の質問を見て、各項目で、6点(すごくそう思う)から1点(全くそう思わない)までの点数をつけてみよう。Q1とQ7、Q2とQ8といった2項目の組み合わせで合計点を出し、最も高い点数となったところがあなたのタイプだ。
表●「怒りの癖」からタイプを知るアンガーマネジメント診断
考え方の癖により(A)熱血リーダータイプ、(B)白黒リーダータイプ、(C)威厳リーダータイプ、(D)職人リーダータイプ、(E)慎重派リーダータイプ、(F)自由人リーダータイプの6タイプに分類できる。それぞれのタイプには良いも悪いもない。一つの個性である。置かれた環境によって変化したりもする。
自分のタイプが分かると、怒りに対して具体的な対処を取りやすくなる。さらにさまざまなタイプがあると理解しておくと、「自分は怒らないが他人は怒る」といったポイントも分かるようになる。レッテル貼りではなく、人によって怒りを感じるポイントは違う、という自分以外の人の価値観を理解するために活用してほしい。
A 熱血リーダータイプ
正義感があり、曲がったことが許せない。信念を貫き通したいと考えているタイプだ。
周囲のことを考えない、言葉遣いが悪いといった、マナーやルールに反する言動に強い怒りを感じる。自分にも他人にも厳しい傾向があり、必要以上の口出しで周囲と摩擦を起こしがち。相手の立場を考えない正論を振りかざしてしまうことも。
■自分がこのタイプだったら?
「相手の考えや状況は変えられないこともある」と受け入れよう。あなたは裁判官ではないので、人を裁くことはできない。正しさにこだわり過ぎると、相手の立場や価値観を受け入れられなくなってしまう。
■このタイプへの接し方
納得しないと動けないタイプ。丁寧に根拠を示して話をしよう。
B 白黒リーダータイプ
向上心があり、ベストを尽くして完璧を目指す。好き/嫌い、良い/悪い、敵/味方など白黒をハッキリつけたがるタイプだ。
優柔不断で曖昧な態度を取る人、言い訳をする人、判断を遅らせようとする人にイライラしやすい。中立的な立場を取るのが苦手で、極端に物事を考えてしまいがち。自分が黒と考える言動に怒りを覚える。
■自分がこのタイプだったら?
怒りを感じるのは、単純に価値観が合っていないだけかもしれない。意識的に価値観の違いを受け入れるように心掛けよう。相手の立場を想像して、別の視点から物事を考えてみるといい。
■このタイプへの接し方
合理的な決断を好むので、伝える時はハッキリ明確にする。
C 威厳リーダータイプ
どんな状況下でも前向きに堂々と自分らしさを貫く。面倒見が良く周囲からも一目置かれるタイプだ。
その裏返しとして自尊心が強く、ステータスや高いポジションを目指す一面がある。そのため、低い評価や軽い扱いを受けると強い怒りを覚える。自信過剰になると、反論や間違いの指摘を受けた時に怒りのスイッチが入ってしまいがち。
■自分がこのタイプだったら?
思い通りにならないと感じる時は、やらないといけない「義務」なのか、自分の「欲求」なのか、相手の「権利」なのかを整理してみよう。怒りの原因は単なる自分の欲求に過ぎないのかもしれない。
■このタイプへの接し方
ねぎらいの言葉を掛けたりして、必要な存在であることを示そう。
D 職人リーダータイプ
普段はおとなしく、周囲からは穏やかな人と見られている。内には強い芯を秘めており、外面と内面にギャップがあるタイプだ。
自分にしかわからない世界観やこだわりを持っている職人気質。それを逸脱した「やりたくないこと」が重なると、怒りのスイッチが入る。ただ、そのこだわりは勝手な思い込みであることもある。
■自分がこのタイプだったら?
独りよがりな思い込みになっていないか「思い込み」と「事実」の整理をしてみよう。答えは一つとは限らないと意識してみると、視野が広がっていく。
■このタイプへの接し方
相手の個性を大切にする。やり方を変えたい時は、小さなところから変えるように働きかけてみよう。
E 慎重派リーダータイプ
じっくり考えて行動し、負けそうな勝負はしない慎重派。気が利き、他人の話をうのみにせずに自分の頭で考える。ほかのタイプと比較するとドライな付き合い方を好む。
慎重故に、うまくいかないことに不安を感じ、思い込みで他人にレッテルを貼ってしまう。他人への用心深さがあり、押しの強い人にイライラする場合もある。
■自分がこのタイプだったら?
うまくいかないと必要以上に卑屈になり、それが怒りを増幅させる負のループに陥る。過去にうまくいったこと、いつもと違うことを取り入れてみよう。時には人に頼むことも大切だ。
■このタイプへの接し方
安心できる環境を用意する。性急に打ち解けようとするのは避けよう。
F 自由人リーダータイプ
フットワークが軽い行動派。意見を周囲に伝えることに長けており、プレゼンテーションをさせたら右に出るものはいない。発言力や行動力があり、統率力を発揮する場面も多い。
自分の主張が通らないと、イライラしてしまう。発言、行動の自由を奪われると強い怒りを感じる。相手の気持ちを考えない発言をしてしまい、トラブルになる場合もある。
■自分がこのタイプだったら?
時には黙ることも大切だ。主役になりたい気持ちを抑え、一歩引いた「脇役」の立場で考えてみる癖をつけてみよう。怒りの原因は顕示欲の可能性もある。
■このタイプへの接し方
話している途中で口をはさむのはやめておく。自由に意見が言える場を作ろう。