厚生労働省の部会は20日、治療法がなくなった白血病患者らへの新たな治療法として期待される「遺伝子改変T細胞免疫療法 CAR(カー)―T細胞療法」の製剤キムリアの製造販売を了承した。近く初の遺伝子治療製品として承認され、今春にも公的医療保険が適用される見通し。
キムリアは、ノバルティスファーマ(本社スイス)の製品。今回対象となるのは、再発などで治療が難しい、特定の血液細胞ががん化した白血病とリンパ腫の一部で、300人ほどと見込まれる。体内の異物を認識して攻撃する「T細胞」を患者から取り出し、がんを攻撃するよう遺伝子を加えて戻す。一度の点滴で済むが、米国では4千万~5千万円超と高額なことでも注目されている。