Jante Law(ジャンテロウ)(改)

ジャンテロウとは、1933年にデンマークのライターのアクセル・サンダモセ氏が考えたコンセプトです。デンマーク人なら誰もが一つや二つは覚えているそうです。
1.Don’t think that you are special.
(自らを特別であると思うな)
2.Don’t think that you are of the same standing as us.
(私たちと同等の地位であると思うな)
3.Don’t think that you are smarter than us.
(私たちより賢いと思うな)
4.Don’t fancy yourself as being better than us.
(私たちよりも優れていると思い上がるな)
5.Don’t think that you know more than us.
(私たちよりも多くを知っていると思うな)
6.Don’t think that you are more important than us.
(私たちよりも自らを重要であると思うな)
7.Don’t think that you are good at anything.
(何かが得意であると思うな)
8.Don’t laugh at us.
(私たちを笑うな)
9.Don’t think that anyone of us cares about you.
(私たちの誰かがお前を気にかけていると思うな)
10.Don’t think that you can teach us anything.
(私たちに何かを教えることができると思うな)
11.Don’t think that there is something we don’t know about you.
(私たちがお前について知らないことがあると思うな)

ーーーーー別の引用

様々な調査で、世界一幸福とされるデンマークですが、
この国の人たちの暮らしは、僕らと何が違うのでしょうか?
以前から関心があったところへ、最近興味深いことを聞きました。
それはおよそ80年前に説かれた、Jante Law(ジャンテロウ)の教えで、
この教えがあるから、デンマークは高福祉社会になれたというのです。
当時の文筆家、アクセル・サンダモセが書いたJante Lawとはどんなものか?
基本的には10の教えからなっていますので、列挙してみましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1.You're not to think you are anything special.
 (自分を特別であると思うな)
2.You're not to think you are as good as us.
 (自分が相手と同じくらい価値あると思うな)
3.You're not to think you are smarter than us.
 (自分が相手よりも頭がよいと思うな)
4.You're not to convince yourself that you are better than us.
 (自分が相手よりも優れていると思い上がるな)
5.You're not to think you know more than us.
 (自分が相手よりも多くを知っていると思うな)
6.You're not to think you are more important than us.
 (自分が相手よりも重要であると思うな)
7.You're not to think you are good at anything.
 (自分は何かが得意であると思うな)
8.You're not to laugh at us.
 (相手を笑うな)
9.You're not to think anyone cares about you.
 (相手の誰かが自分を気にかけていると思うな)
10.You're not to think you can teach us anything.
 (相手に何かを教えることができると思うな)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どの言葉を取っても、全員平等の人権意識に満ちています。
「勝てば官軍」の日本人の意識とは、大きく違う価値観によって、
どんな人も平等であるから、“特別意識”を持ってはいけないと戒める。
こうした概念や価値感が、市民全体に行き届いているから、
貧富の格差が少ない、高福祉高負担の社会が可能になったのでしょう。
金銭経済でしか価値を見れなくなった、日本人の単純さとは大違いです。
彼らは就職活動においてさえ、自分を売り込むのが苦手のようで、
同じ仕事を求めながら、仕事に就けなかった人を思いやってしまう。
そんな弱い人を思いやる風景は、昔の日本人では当たり前だったようですが、
現代日本人はアメリカ的な価値感で、強者や成功する人がヒーローです。
それではデンマークでは、どんな人が幸せなのかと言えば、
驚くほどに、自然農で学んでいる価値感に近い気がするのです。
A「他人と比べることで、幸せを感じるのではなく、
  与えられた命は同じで、自分自身の価値観で幸せを感じるのです」
B「ベストという言葉よりも、十分という言葉が好き。最高にはなりたくない」
C「生きていることを感じること、身体と精神にも健康な快感を得るため、
  自分の体を駆けめぐる命を、より多く自分で感じることなのよ」
D「デンマーク人の幸せとは、毎日工夫をして心地よい生活を送ることではないか」
E「成功は永遠に続くものではないから、それより良い人生を生きていたい」
およそこんな感じで、自然農で学ぶ「問題を起こさない生き方」と似ています。
僕らが学んだのも、どんな人もそれぞれの命を持って平等であるから、
各個人は自律的に暮らしながら、みんなで助け合って生きていくことでした。
それは今の日本社会が作り出した、他人と比べて優越に浸る幸福感とはまるで違い、
№1や成功を目指すのでもなく、自分の内面的な幸福を探り当てて生きること、
自らの命が持っている価値に気付いて、命を大切に生きることだったのです。
 
それは古い日本人の価値感に、限りなく近いと受け取るのですが、
金銭経済優先で価値を見る人たちは、どう思うのでしょうか?