うつ病は「心の病」ではなく、「脳の病気」だ
というのだが、そういう面もある
まあ、こころは脳の働きだから、結局脳の病気なんだけど
こころの病気という言葉で別のものを指定している感じはする
さらに病気というのは正しいのか、という問題もある
そして病気とは何かという問題につながる
たとえばうつは脳の病気と言われて、すっきりしたという人もいるし、複雑な気分という人もいる
結局、人それぞれで、少しずつ意味のずれたプライベートな言葉を使っているので
難しい
子供のころに見た夕日の色が、と言われて、正確に何を意味しているのか
その人にしか分からないところもある
ーー
病を見ずに病人を見る、とか
病気ではなく人間を見る、とか
その場合、科学という強力な方法論は使いにくくなってしまう
やはり科学で処理できるものは科学で処理して、
残余の部分は人間を見るという態度で対処したほうがいい
歯医者に行って虫歯を治すときに
歯の科学という部分と
虫歯を抱える人間の話を聞いて治療者として語り掛けるという部分は
やはり両面が必要である