ADHDの治療方法(大人のADHD)
大人になって初めて診断をうけて治療を開始する場合、環境調整などの心理社会的治療と、薬物療法があります。
1.暮らし方の見直し
指示は短く、簡潔に出してもらうことで、記憶の保持につなげる
言いたいことは、時間をおいて熟考してから、人に伝える
計算や書類作成など苦手な事は、誰かに補助を頼むようにする
大失敗したことは、それ以降、「してはいけないこと」ルールに加える
困ったときには、自分を過信せず家族や友人を頼る
生活環境の見直し
壁のポスター、テレビの音量など、集中の妨げになる事柄をとりのぞく
イライラした時には、一人になれる場所を確保しておく
道具(メモ帳や携帯電話のアラームなどの)をうまく活用する
予定は共有ボードに書き出して、家族に一声かけてもらえるように依頼する
出かける際に必要なものは、置く場所を決めておいて、必ずそこで管理する
人間関係の見直し
特性を説明し、面倒でも何度も注意してもらえるようにお願いする
作業の締切期日が近くなったら一声かけてもらえるようにお願いする
自分を過信して安請け合いせず、必ず相談してから返事をする
ペアレント・トレーニングを応用しましょう
ADHDがあるお子さんの保護者に特性や対応法を学んでもらう「ペアレント・トレーニング」の考え方を、周囲の人との関係性に応用する事ができます。
気をつけて欲しいことを伝えて、よりよい関係を築きましょう。
2.薬物治療
現在、大人のADHD治療薬として承認されている薬剤は1剤あります。
この薬剤は、ノルアドレナリンやドパミンの不足を改善する働きがあります。これにより神経伝達がスムーズになり、ADHDに特有の症状が改善すると考えられています。