血糖変動の小さな、質の良い血糖管理が求められるようになっている中で(Int J Obes Relat Metab Disord 2002;26 suppl3:S9-S17)、治療ターゲットとして注目されているのが食後高血糖である。食後高血糖はHbA1c 7.3%以下の糖尿病患者のHbA1cに大きく寄与しており(Diabetes Care 2003;26:881-885)、空腹時血糖以上に血管合併症と関連することが知られている(J Clin Endocrinol Metab 2006;91:813-819)。
わが国で食後高血糖を避けるための食事法として広く知られるものには、糖質制限食(Diabetes Technol Ther 2012;14:619-623)と食べ順ダイエット(Asia Pac J Clin Nutr 2011;20:161-168)がある。特に食べ順ダイエットは、食物の選択余地が少ない東日本大震災の避難者などに対する血糖管理法として日本糖尿病協会が推奨しており、べジ・ファースト(野菜を最初に食べるの意)の名で多くの人に知られている。
このたび、米・ニューヨークのウェイル・コーネル医科大学のグループから、欧米人においても食べ順ダイエットが食後血糖管理に有効であり、その要諦がべジ・ファーストというよりも、カーボ・ラスト(糖質を最後に食べるの意)であることが示された