「アムロ」と言えば国民的人気歌手の安室奈美恵さんのことでした。しかし20年の時を経て、医学分野おいては、薬剤耐性菌(antimicrobial resistance ; AMR)を意味する言葉になりました。
AMRに起因する死亡者数は、世界で年間70万人(2013年)に上り、何らかの対策を講じなければ、2050年には死亡数が1000万人に増加すると推定されています。これは癌による死亡者数を超過する計算です。
メディカルツーリズムの渡航者の間で問題となっていて、インドやパキスタン、バングラデッシュで蔓延しているとされるニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1(New Delhi Metallo-β-Lactamase-1: NDM-1)産生耐性菌
大腸菌における基質拡張型βラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase;ESBL)産生菌や、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)
日本国内では、2008年に韓国から福岡県に来た患者によりアシネトバクター多剤耐性菌が輸入
日本は今、多くの外国人観光客や在留外国人を抱えています。AMRに対しては、厚生労働省が策定した「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2016-2020」で、国を挙げた対策が講じられているところです。
薬剤耐性菌が確認されている患者が、入院や転院してきたときには、医療現場では「アムロ入ります!」を合言葉に、積極的なスクリーニングと早期からの耐性菌対策、そして患者の隔離が必要