自閉症と統合失調症、1階と2階の比喩

最近はいろいろな説があってはっきりしないのだが
昔の説を書いておく
統合失調症の一部、へべフレニータイプは、性的成熟の前までは正常に育つ
性的成熟が始まると発病も始まる
人間の精神を12歳までの1階部分とそれ以降の2階部分とに分けて考える
性的成熟を始める前の少年と少女は
(もちろん、性的成熟はそれまでに萌芽的な形で開始されているのだけれども)
生殖のための存在ではなく、
生存のための存在として、
一旦の完成に至る
だから12歳の少年も少女も完成された美しさである
それ以降に2階建て部分が増築される
ここで、古典的な統合失調症は、1階部分にはどこも病気はなくて、2階部分が病気である
最近で言う、発達障害や自閉性スペクトラム障害は、1階部分の病気であって、1階部分が傾いているのである
傾いた1階部分に2階部分を真っ直ぐに増築しようとするのも無理というもので
その場合、2階部分の傾きを見て、統合失調症と診断すべきではない
それは1階部分の傾きなのか、2階部分の傾きなのか、区別しないといけない
そのように私は従来考えてきた
最近は統合失調症の発病前の児童期の特色を重視する研究もあり、
1階部分が正常とも言いにくい情勢である
しかしその1階部分は自閉性ともADHDとも異なるものように思われる