治療の流儀として
ターゲットとする症状を明確にしてそれを治療する方法と
そうではなくて人間の苦悩とか生き方とかこれからの人生とか人間関係とかにも
配慮していく方法がある
そのあたりの配合はむつかしい
後者については明確に治療契約みたいに決められるものでもないし
それには触れないと決めたとしても
影響しないでいられるものでもない
意図しないうちにいい影響が生じるならばいいのだが
意図しないうちに悪い影響が生じて
極度の依存関係を形成し
そのことを治療者への信頼とか誤解している場合がよくある
このような依存関係が形成されたほうが
一種の治療同盟としては、ターゲットとされた症状の治癒には有利なのだけれども、
大きく全体としてみた場合には
問題がまた一つ増えたという結果になることもある
そうしたことも含めて人間観であり治療観であるとの言い方もできるので
断定するものではないが
いろいろな問題をはらんでいる部分である。