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上司と部下を考えてみると、
上司は部下を尊重し
部下は上司に忠誠を尽くすのが
古来の理想であるが
現実は
それぞれの立場での損得で動いているものである
それぞれの立場で動いているのなら
上司は部下を自分と一体化させれば
自分の損得が部下の損得と一致することになる
これも古来からある一体化戦略であるが
実際には簡単ではない
徹底的な洗脳だからである
できることは
部下の損得を現実的に考え
部下の損得と上司の損得が両立するような妥協点を見出すことである
しかし資本主義社会はそのようにできてはいない
常に搾取があり、搾取の上に利益が成立する
だから上司と部下の損得の妥協点は難しい
古来の現実的な解決は
上司が複数の部下を競わせることである
生存競争に晒すことによって
上司と部下の利益の対立ではなく
部下と部下の利益の対立にすり替える
それが人事である
人事操作によって見事に
部下を操縦することができる
しかしながら
そのようにして優勝劣敗で鍛えられた部下は
しばしば上司を追い越してしまう
上司は部下を鍛えすぎてもいけないのである
こうなると結局は
偶然に頼るしかないと思われる
上司は、絶対に裏切らない、忠誠を尽くす部下を常に求めているが
常に裏切られる運命にある
自分自身がすでにその上司であった人を裏切って
現在の地位についている場合が多いと思う
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