サードマン現象

“サードマン現象とは、登山家や極地探検家、あるいは海難事故などで遭難した人が、極限状態に陥った時、いるはずのないもう一人の《存在》がすぐ近くにいる感じるという現象です。南極探検家のアーネスト・シャクルトンや大西洋横断飛行のチャールズ・リンドバーグなどの有名人も含めて、数多くの体験談が報告されています。サードマンは単なる譫妄による幻覚とは明らかに違います。サードマンに出会う人は、衰弱してはいるが意識はしっかりしており、不思議に思いながらも安心感を覚え、時には生き残るための助言なども受けて、奇跡の生還を果たすのだそうです。信仰心の篤い人は天使や精霊など神聖な何かが救ってくれたと感じるようですが、人に話しても信じてもらえないと思って語りたがらない人もいます。本書では多くの事例とともにいくつかの仮説が示されていますが、まだ完全には解明されていないようです。実に不思議な現象ですが、孤独で危機的な状況を乗り越えるために人間の脳に備わった機能なのかもしれません。”