マスコミ各社が森友学園の籠池泰典(かごいけ・やすのり)理事長に集中砲火を浴びせる中、『日本会議の研究』の著者、菅野完(すがの・たもつ)氏が「全自動忖度機のボタンを押したのは松井一郎大阪府知事」と述べ、悪の筆頭に挙げた。14日夕、参院議員会館内で開かれた市民集会で述べた。
発言は「安倍晋三記念小学校はいらない! 3.14緊急抗議集会&シンポジウム」と題する集会で、基調報告として述べられた。菅野氏は「安倍晋三記念小学校」と印字された振込用紙や脅迫的な理事長妻の手紙など、同学園の異常な実態をツイッターなどで暴露してきた。
菅野氏によれば、森友学園事件は3つの問題が柱。すなわち、①近畿財務局による国有地の大バーゲンセール②大阪府私立学校審議会が一転認可に至った謎③ヘイトスピーチや虐待など学園の教育実態を指す。
菅野氏はこの3つを混同せずに整理して考える重要性を指摘するとともに、重要度の順番は③→②→①であると主張。「とんでもない学校が新聞沙汰になった。それを知りながら大阪府が認可し、財務局がバーゲンセールした」と説明。「だから僕は、虐待の問題を追い掛けている」と吐露した。
籠池理事長宅に上がり何度も対話した経緯を明かした上で、「彼は市民運動として自分の目指す学校建設を進めてきた。それが右だったかもしれないが、皆さんと同じ運動にすぎない。問題は周りが寄ってたかって学校を創らせようとしたこと」と提起した。
主役は認可や売却を決めた役人であるとしながらも、政治家の意向を忖度(そんたく)したと強調。「彼らは全自動忖度機。そのボタンを押したのは松井一郎大阪府知事で1番の悪。2番目の悪は、当時理財局長だった迫田英典国税局長、3番目は吉本馨大阪府私学課長」と名指しした。
「行政が一旦認可したものを、世論が厳しくなったので申請を取り下げるよう仕向けた。これではデュープロセスがめちゃくちゃ。また、迫田氏は安倍総理の牙城の山口県出身。近代の制度は、人の意思と関係なく、機械的に進まなくてはならない」との見解を示した。
その上で菅野氏は、「メディアは籠池氏を主語にしていじめるのをやめよ。これは人権問題だ。役人はなぜこんな無茶な決定をしたのかを取り上げなければ。これこそ安倍政権のもたらす弊害。だから、倒さなければならない」と訴え、喝采を浴びた。