“人生については、いずれ学校を出て、実社会に出てからにしようなどと思っている。そして実際に実社会に出てしまうと、会社とか勤め先では人生的な勉強をする必要は全然ない。会社内の事情に一応明るくて、上役、同僚と、いずれくる後輩という人間関係さえ適切に処理すれば事は足りる。だから自分は何か生き甲斐を、などと考えるのはバカみたいに思える。会社は忙しいし、夜帰ってくると疲れてしまうし、そのうち女房を持ち、子供などを持ってしまうと、型通りの家庭生活に入ってしまう。 大体においてここで人生を諦める。よけいな本を買って、形而上学的な問題を考えたって腹の足しにもならない。それよりもゴルフでも上手になろう、などと考えて、ストップしてしまう。 夢を見ることは青春の特権だ。”