経済学について

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経済学について

マルクスの経済学は経済学だと思うが
それ以後は
どちらかと言えば社会心理学とか集団心理学のような考え方をしているような印象を受けている

社会心理学とか集団心理学は当然個人の心理学に還元されるのであって、
それ自体としては、強固な論理的枠組みがあるとは言い難い

そしてその基礎となる心理学がやはり強固な論理的枠組みがあるとはいえない状況である
結局、脳の生理学に収斂されてしまうはずのものと理解されている

マルクスに対立する理論的支柱はあるのか
ケインズとか一応、何をすればいいかの理論的背景にはなるのだろうけれども
マルクスの着眼に比較すればずっと弱い

むしろマルクスは経済だけではなく、上部構造全般が下部構造に規定されるという
もっと広い範囲の法則を提唱したのだと思う

そうした状況を見ると、現代の経済学は、小さいが精密な問題を数学を駆使して
解決を考えているような印象を受ける

経済学独自の法則を考えることなど
ずっと昔に放棄したかのようである

経済学は集団心理学に、それはさらに個人の心理学に、還元される。
もちろん、還元されない部分が本質なのだと語るのだが、説得力が豊かだとは考えにくい

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ノーベル賞で物理、化学、医学生物学は分かりやすいとして、
経済学、平和賞、文学賞などに至っては、文句なしの業績というよりは、非常に政治的な営みになっている

そして物理学、化学、医学生物学にしても、それには階層構造があって、
物理学が根本で、その部分的な応用が化学、そして化学を生物やヒトに応用したのが医学生物学と
考えると、階層構造は明らかで、還元主義的な思考がやはり正しいのかと思われる

まあ、そこまで厳密なことを言わないで済んでいるのが最近の研究で、
遺伝子の組み換えとかは医学の平面だけで済んでしまう
ガンの克服などになれば、薬理学とか生化学とか、化学の領域にずっと近くなる
原理的な説明を志さない限り、還元主義的になる必要はないだけのことだ

実に素朴で素人的な考えなのだが、
自然科学の歴史は、最も素朴で単純で美しいものが、真実であると認められて、生き延びてきたと思う
その意味では、最も素朴でないのは、まだ正しくないのだと思う
それはまだ天動説であって、
地動説になってはじめて、単純で素朴に理解できるようになるのだと思う
(こう言うと、例によって、当時の観測と理論の問題とか、いろいろ複雑に論考する専門家がたくさんいる)

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