目くらましとしての稲田問題と都庁・オリンピック問題 鈍感さに誘導される

数学が0点だったのをごまかしたいので
英語が20点だったと騒いでいる
そんな子供みたい、という話

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2016年10月10日のニュースでは稲田大臣が
やっと南スーダンを視察した

稲田朋美防衛相が2016-10-8日、国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊施設部隊の活動状況を視察するため、南スーダンの首都ジュバを訪れた。現地の政府高官や国連南スーダン派遣団(UNMISS)幹部は首都の治安が改善していることを訴え、インフラ整備に対する日本の支援に期待感を表明。武力衝突が起きた7月以降、自衛隊が控えていた国連施設外での活動再開に向けた調整も進んでいる。(毎日新聞)

心配ないから自衛隊大丈夫、という話らしい。こういう形だけの無意味なことをしゃあしゃあとできるのが
現政権である

しかしニュース映像を見ると、稲田氏はぎくぎくしていて手足もバラバラの様子。
やはり状態は良くないようだ

稲田氏の白紙領収書問題、核兵器で防衛すべしの過去の論は撤回を拒むなど、
ニュースの焦点になっている。

また、今一つは東京都の問題で、築地豊洲移転問題、オリンピック利権問題である。
ここでは小池氏が正義の味方という位置づけである

こうしたニュースというものは、もっと大事な問題があるのだけれども、
論点をずらすための、分かりやすい材料として提供されているのではないかと
疑って見る必要がある

当面の選挙は新潟知事選と東京10区の補選である
極端に言えば負けてもまあまあだろう
なにしろ与党は2/3を確保しているのだから
どうにでもなる

新潟で負けても、現状と同じ、原発反対派の知事と言うだけで変化なしだ

東京10区で負けても大勢に影響はない

たぶん、いま問題なのは天皇生前退位問題と安倍総裁の任期延長問題だろう

野党も天皇問題には触れたくないはずで、何か別の分かりやすい話題があれば
そのほうがいいと思っているだろう

なつかしい宮崎緑さんなどに天皇問題審議会で意見をまとめてもらうというので、
それを尊重しましたという形で収めたいのだろう

そもそも天皇側の意向と日本会議的勢力の意向がぶつかっていて
その議論はカトリックの神学みたいなもので
どうにも議論がしにくいだろう
本当は天皇的な人たちと日本会議的な人たちが話し合って
大筋を決めてもらえば助かると思っているはず

そして何より、一般議員にとっては本音としてはどっちでもいいのだから、議論しようもないのだろう
天皇の意向も日本会議的人たちの意向も無視するわけにも行かず
どうしようもないのだろう

第二点の
安倍総裁の任期延長については、もちろん、河野洋平氏が語るように、
自分で決めて、自分の任期を延長するというのは、道理から言ってありえない、
変更したとしても、適用は次の総裁からというのが筋の話なのだが、
そこを無理を通したいということなのだろう

たとえばプーチン氏も、圧倒的な力がありながら、規則は守って、一期だけ、部下に譲り、
その後はまた続けている

安倍氏も、政権を放り出して辞任した第一期の頃を含めれば、ずいぶん長くやっているわけだ
ここは一期だけ、石破氏でも岸田氏でもいいので譲って、
つぎにまた、何年でもやれば、立派なものだ

最近は改憲問題については発言は慎重で、
現在提出されている自民党案はあくまで谷垣時代のものであるとか答弁しているらしい
急がないつもりのようだ

今後、アメリカ大統領が決まって新しく始動するまで時間があるので
しばらくは大きな争点にならない、アメリカから自衛隊が随分高額な飛行機を買うとか
そんなことをしていればいいらしい
(その飛行機の代金だけで、コンパクトオリンピックができてしまうんだよ、びっくりだ)

それまでは小さな問題でスッタモンダしていればいいので
野党に叫ばせておけばよいという立場だろう

2/3あるのだから決めたいことはなんでも決められる

今度は共謀罪かと言われているが
秘密保護法とか安保法案(どうしてこんな言い方をするのだろう、まぎらわしい)とか
次々に着々と成立させてきたのだから
成り行きによってはその方向もありだろう

というようなわけで、
天皇問題も、安倍延長問題も、国民の考えはもう明白で、
その逆を何とかやりたいというのが政権の意向で、
暫くの間は目くらましで下準備をしたいところだろう
テレビで何回も繰り返していっていれば、
国民は慣れてしまうのだ

なにしろ対決の相手は野田氏だから
安倍応援隊のようなもので何も怖くないだろう

経済政策はそろそろ行き詰まりもバレバレなのだが
今度は政府の統計数字の様式を変えると言い出している
過去との比較を困難にして、議論できないようにしてしまおうという戦略

というようなわけで、ごちゃごちゃ言っている間に、
ちっょとした報告という感じで、天皇問題と安倍延長問題が報告されて事後承認のように進むだろう

安倍氏と周辺は、第一期の挫折を経て、徹底的に強権的に、しかし情報操作的に、生まれ変わって、
ここまで維持しているようだ

強すぎる与党は分裂するのが常であるが
国会で安倍氏の呼びかけに対して与党全員で拍手したように
それに対して与党内から対して反対も出ないように
締め付けがいつまでも効いているのである

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というのが前段で前フリなのだが、
そんなわけで
稲田氏が「日本も核兵器を持ったほうがいい」という意見を強硬に語っているなど
稲田氏が防衛大臣にならなければニュースで時間を割くこともないだろう
ところが、防衛大臣になったので、野党が問題にし、
結果として、ニュースで何回も繰り返される

その効果は、日本も核武装すべきという言葉だけが人々の頭に残る
戦争体験世代は少なくなってきているし、北朝鮮問題もあるしで、
何回も繰り返しているうちに、賛成と反対は半々くらいなのかなと、錯覚するようになるのだろう
そして鈍感になるのだろう

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