離婚問題が起きたとして、
その地域には法律事務所が一つしかないとしよう。
すると妻も夫もその法律事務所の弁護士に依頼することになる。
その法律事務所では、
担当したそれぞれの弁護士は秘密は守り、取引などしないと説明するだろうが、
結局のところ、何をしているのかは、分からないままである。
更に、裁判官も、法律関係者ということで付き合いがあり、
その法律事務所から提示されるいろいろな利益を享受していたとすれば、
妻の弁護士、夫の弁護士、それを裁く裁判官の三者が一体であるという事態になる。
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たとえば自動車会社のトヨタと日産が広告を頼むとする。
広告会社は一つしかないとする。
トヨタは開発費や原材料費や人件費でこれくらい、だからどのくらい売り上げるとこれくらいの儲け、
だから広告費はこのくらいなどという交渉をする。
一方で日産も同じような交渉をする。
消費者はトヨタか日産かどちらかの車を買うと仮定すると、
その広告会社が広告の調整をすることで販売実績を調整できて、
そのことで広告費を決めることができる。
達成できそうもなかった時には、帳尻合わせに両者の広告量の比率を調整すればいいわけだ。
広告のテーマとか背景コンセプトも調整できる。
どっちも同じ会社で作っているのだから。
赤と赤でぶつかるといけないから、赤と青で行こうとか。
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たとえば選挙で作戦を会社に頼むとする。
その会社は地域に一つしかないとする。
すると、その会社にどれだけお金を払ったかで、
基本の得票率は決まる。
あとはその時の風次第の浮動票がどれだけ影響するかであるが、
風を起こすのもその会社の役割だし、
浮動票の動向を「客観的に」分析して報道に情報を流すのもその会社の役割である。
そしてさらに、その後にも仕掛けがあるとの噂が絶えない。
同一筆跡の投票用紙、どの選挙でも地域によりほぼ同じ得票率など、
浮動票など全く無いかのようなデータが提出されたりして、しかし、陰謀論として片付けられる。
結果的に、多分あの人だろうというひとが順当に選ばれる。
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そのようにして、世の中は、事もなく、円満に、回っているのである。