ボトルガムの箱に、ホチキスの芯を貯めている。綴じたあとに間違いに気づいて外したホチキス、上司から「以下の通り」を「以下のとおり」に修正しろといわれて外したホチキス、書類の順番が違うと経理に言われて外したホチキス、を、捨てないで、延々と溜めている。
このボトルガムの箱がいっぱいになったら辞表をだすのだ。
理不尽に電話口で怒鳴られたとき、ボトルガムの箱をみると気持ちが安らぐ。あともう少し。
ときどきとなりの席のひとが、私のボトルガムの箱に捨てるはずのホチキス芯を入れているのを知っている。
ホチキス貯金してる