"玄宗はまじめに仕事をつづけるのですが、この人は長生きをした。皇帝に定年制度はありませんから死ぬまで働きつづけなければならない。即位30年を越え、年齢が60近くになってくると、さすがの玄宗も仕事に飽きてきた。政治に熱意を失ってきます。
こういうときに、かれが出会ったのが楊貴妃です。
楊貴妃はもともとかれの息子の妃の一人だったのですが、何かのきっかけで玄宗は彼女をみそめてしまう。息子の後宮からもらい受けて自分の後宮に入れてしまった。簡単にいえば息子から嫁さんを奪ったのね。滅茶苦茶ですね。
楊貴妃はどういう気持だったか。皇帝になれるかどうかわからない皇子の後宮にいるよりも現皇帝に愛された方がいいです。多分。そして、彼女はこのチャンスをしっかりつかんで玄宗の愛を独占するのに成功しました。
玄宗と楊貴妃の世紀の愛の始まりです。
ロマンチックに語られることの多い二人の恋愛ですが、出会ったときの玄宗の年齢が61、楊貴妃は27歳です。年齢を知ってしまうとちょっと引いてしまいますね。
玄宗は夜が明けても宮廷に出てこない。正午近くまで楊貴妃の寝室でたわむれている。そういう日々がつづくようになりました。
玄宗の政治は当然公正さを失っていきました。出世したければ楊貴妃に取り入ればよい、そういう風潮がはっきりしてきます。政府の中核が腐敗してきます。
ついに玄宗の晩年に唐帝国を大きく揺るがす大反乱が勃発する"