旅行ライターの書き散らす「旅情」

旅行ライターの書き散らす「旅情」は、いま急速にリアリティを失いつつある。第一、各駅停車の駅で降りようにも、もう町の中心は駅のまわりにはないのだ。モータリゼーションが極端に発達した地方の現状では、新しい施設や生活圏はすべて国道沿いに発達している。人々は国道沿いのスーパーマーケットで買物したりファミレスで飲み食いし、昔からの駅前商店街はシャッターを降ろしたまま。これが地方の現実である。つまり、いま地方でなにが起こっているかを見たかったら、電車ではなくクルマで旅行しなければならないのだ。