終身雇用

“日本は、かつては終身雇用が保障されていた。
極端な話、日本人は会社に勤めてさえいれば、貯金がなくても何とかなった。貯金がないまま定年退職を迎えても、今度は年金で何とかなった。
しかし、今はそのどちらも消え去った。
その上、場合によっては明日リストラされるかもしれないし、明日会社がつぶれてなくなるかもしれない。そんな時代だ。
そうであるならば、すべての日本人、とりわけ女性が今すぐにしなければならないことは決まっている。貯金だ。
収入が途絶えても半年から1年は自分と子供が食べていけるように必死で貯金しなければ、いざというときに壮絶な目に遭う。特に、シングルマザーの境遇にある女性は、貯金がなければ、間違いなく社会の闇に堕ちる。
社会が頼りにならなければならいほど、そして配偶者が頼りにならなければならないほど、「貯金」がまばゆい輝きになって身を助けてくれるようになる。
それは自分が自分で作り上げる大切なセーフティーネットである。夫よりも、親よりも、友人よりも、貯金の方が何十倍も自分を助けてくれる。
まずは、収入を失っても半年しのげる額を貯める。その次に1年ほどしのげる額を貯める。それが貯まったら、絶対に取り崩さない。
そうすると、それが精神的な支えにもなり、いざというときにも実際に縦横無尽の活躍をしてくれる。堕ちなくても済むのである。
実際にはセーフティーネットを使わないで終わる幸運に恵まれることもあるだろう。しかし、どんなときにでもそのセーフティーネットを持っていれば、心の余裕も生まれてくる。
私の知り合った女性の多くは、その「貯金」を持っていなかった。そして、彼女たちは地獄に堕ちた。”