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婚姻届を出した区役所からの帰り道、私は「これでもう契約満了まで、よその男と『恋愛』しなくて済むのだ! これからはただ夫婦愛のみを育めばよく、恋してるとか好きだとかに一喜一憂しなくて済むのだ!」という開放感にしみじみ浸っていた。うっとりロマンチックな表情を浮かべる夫のオットー氏(仮名)の横で、「いやー、結婚ってスカッとするね! せいせいするわ!」と祝杯を重ねていた。
今まで「恋愛」の出来不出来にさんざん苦しめられてきたけれど、「結婚」は幸福と平穏だけを授けてくれる。やっぱり結婚は素晴らしい、みずからの自由を法的拘束力へ縛られにかかってもお釣りが出るほど、いいこと尽くめだ。
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