安保法制「国会そのものが違憲に」 丹羽氏が審議に懸念
6月に日中友好協会の会長に就任し、あいさつ回りのため北京を訪問中の丹羽宇一郎・前駐中国大使が20日、日本の安全保障関連法案について「憲法違反との疑義があるのなら、まず今のようなやり方が正しいのか国民的コンセンサス(同意)を得ることが必要ではないか。そうでなければ、国会そのものが憲法違反ということになってしまう」と述べ、多くの憲法学者が法案への疑義を呈している中で、自民・公明与党が衆院採決を強行したやり方に懸念を示した。
記者団との懇談会で質問に答えた。丹羽氏は安倍政権の安保法案をめぐる議論の進め方についても「米国に行って約束してしまった、というやり方の問題もあるが、中身の問題をもう少し根本的に話し合わないといけないと思う」と指摘。「いろんな意見があっていいと思うが、少なくともいろんな意見を反映するようなプロセスになっていない」と疑問を投げかけた。
丹羽氏は19日から北京入り。中日友好協会会長の唐家璇・元外相や中国外務省の劉建超次官補らと会談した。