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最後。枝雀の二人の息子も出演して、いろいろなエピソードを語ったのだが、「お父さんはなぜ『心の病』になったのか?」という質問に対しての次男の答え(の要約)。
一般的には、もしくは噺家の人生としては、自分の落語を突き詰めすぎて、というのが一番美しく、かつ説明がつきやすいと思うが、ただ、(枝雀は)自分の落語を突き詰めることが好きだったので、僕は巷間で言われているそういう感じ(=思い詰めた結果)ではないと思っています。
適切な表現ではないのかもしれないが、癌になった人に、どうして癌になったんですか? とは聞かない。心の病っていうのも、心を自分の意のままになると思っている人が多いために、「なぜ病気になるのか」という発想になるのだと思う。
僕は、かなりシンプルに(枝雀は)「病気になった」んだと思っています。
枝雀に限らず、これはかなり重要な考察なのではないか。
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