様々な症例の精神構造における
表層の類似と深層の類似を考える
深層の類似というのは構造の類似のことである
深層の類似を深めていったところに自然科学が成立している
その際には適切な変数を設定して測定するという操作が重要である
またその先のこととしては宗教的思考があるのであるが
それは自然変数を超えたもので超越的思考というべきかもしれない
しかしながら自然科学的思考の外延として宗教的思考があることは間違いがないだろうと思う
ドイツでいわれた現象学や記述現象学のようなものは、私がよく理解していないだけだろうとは思うが
最終的には超越を持ちだして、実は最初から分かっていたのだと結論してしまう
それでは自然科学の外延とは言いがたい
経済学なども物理学を規範にして目指しているもののようであるが
まだ遥かに及ばない
何を測定すればよいかが勝負であるが
それが見つかっていない
大脳生理学に至っては経済学よりもまだ五里霧中である
そして心理学になれば
大脳生理学に日常用語や俗流心理学が混入して混乱の極みである
測定もなく印象を並べているだけである
ただ、その中に、深層構造の類似を鋭敏に察知して論じるものがあれば、
それは将来、大脳の物理学に通じるものになるかもしれない
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学問が発展してくると
数式の示すものが
現実にはどういうことになるのかというような議論になってくる
それは倒錯ではなく発展である
量子物理学のように早くそのようになりたいものであるが、
今のところは無理だ
何をどのように測定していいのかすら分かっていない
しかしその場合でも
人間の素朴で深い直感はあるものだろうと思う
2つの症例の間にある
深層構造の類似などはその直感の良い例であると思われる
実際には、深層とは言うものの、深層は一層ではない
どのレベルの深層であるかがまた問題になり
ひょっとしたらそれぞれの層での類似を議論することも可能であろう
類似を議論するのは、
片方の長期経過が知られている場合に、
深層構造の類似したもう一つの症例がある場合、
同じような経過を取るのではないかと、予想ができることからである
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深層の構造の類似が考えられるとして、
それは実は一つのことなのではないかと考えてみる
たとえば現在で言えば神経伝達物質とそのレセプターの話
また私の考えで言えばM細胞の休止と復活
などである