"人間の心のメカニズムとして
絆とか一体感とか団結とかを大事にする傾向はあって
当然、そうした心の人たちが生き残りやすいからだと思うが
それはスポーツや行事などで一体感から達成感までを体験するならいいのだけれど
それは容易に戦争に結びつき
それはそのまま集団統治の技術となる
だから内政で行き詰まっている政府はしばしば外敵を宣伝して目眩ましをする
細かいうるさいことを言う奴には
お前はどちらの見方なのだと問い詰める
敵は残虐で醜悪であったほうが良いが
戦力としては拮抗していた方が内政統治には都合がいい
スポーツチームを統率する場合にも
強力であるが戦力が拮抗している相手チームがいる場合が統率しやすいだろう
リーダーの力量が足りない場合、しばしば有効な手段である
なぜまじめに練習をするのかとか
なぜ遅刻してはいけないかとか
なぜ監督の命令を聞かなくてはいけないかとか
全ては「あの敵」に勝つためと集約される
教育的には「本当は自分を高めるために」というべきところであるが
ライバルを設定して頑張りを引き出すほうが容易であり効果も高い
悲しいことだが人間の心はそのようにできているので
利用する人がかならず現れるし
そのことも一種の技術として伝達される
スポーツの観戦や応援に熱狂している人間は
容易にその熱狂が戦争にスライドする
気がつけば人殺しをして人殺しをされて
平和のために戦うなどという最初のお題目は忘れて
ただ必死に人殺しをする
三菱重工の兵器が効率的に敵の子どもたちを血まみれにして殺す
ソニーのビデオカメラで敵の老人の群れに正確に的中させる"