成人うつの第一選択にCBT推奨【米国内科学会】

 米国内科学会(ACP)は2月8日、成人の大うつ病性障害(MDD)の初期治療に第二世代抗うつ薬(SGAs)だけでなく、認知行動療法(CBT)を勧めるガイドラインを発表した。同日、Annals of Internal Medicine誌に掲載された。
 現在、MDDの初期治療として、ほとんどの医師がSGAsを処方している。こうした中でACPは、「CBTも初期治療として適切なアプローチであり、CBTによる治療が可能であれば、治療効果や有害反応、費用、利便性などを患者と話し合った上で、SGAsの代替治療として考慮されるべき」と、強くCBTの導入を勧めている。
 同ガイドラインは、成人MDD患者に対する非薬物療法とSGAs(SSRI、SNRI、ブプロピオン、ミルタザピン、ネファゾドン、トラゾドン)について、単独あるいは併用療法の有効性と安全性に関するエビデンスを集約し、推奨グレードを決定。反応、寛解、機能的能力、QOL、自殺傾向、入院の減少、自他傷などの項目を評価した。
 ガイドラインでは、エビデンスレベルが「中等度」ではあるものの、CBTは成人MDDに対してSGAsと同等の有効性を示し、治療中断率もほぼ同等と明記。ファーストライン治療として、SGAsは非薬物治療(補完代替医療、運動療法の単独または併用療法など)と有効性や有害効果に差はないとする報告も、エビデンスレベルは「低い」が確認されたと説明している。
 また、SGAsでの治療が奏効しなかった場合のセカンドライン治療として、他剤への切り替えや増薬、非薬物療法は、どれも有効性は同等としている(エビデンスレベル「低い」)。