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上田:トヨタ自動車の「いつかはクラウン」のコピーは、単線化した日本社会をある意味で象徴する名コピーです。トヨタのラインナップ自体が“年功序列”でしたよね。
池上:ヒラ社員はカローラ、課長になったらコロナ、部長になったらマークII、役員になったらクラウン。サントリーのウイスキーもそうでした。トリスはレッドになってホワイトを経て角になりオールドになってリザーブになり、ついに山崎に到る。
上田:自動車やウイスキーのラインナップまでが、日本の盤石の年功序列社会とセットになっていた。そんな安心できる未来が見えていたから、毎朝、満員電車に日本のサラリーマンは突入できていました。でも、そんな未来はとうの昔に消えてしまった。
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日本人が満員電車を我慢できたわけ