うつ場面選択想起

うつ病で見られる「うつ場面選択想起」とは
うつ病になると、過去の出来事は良いこともあったし悪いこともあったと
理屈では承知しているのだが、
なぜか思い出すのはうつ場面だけであって
辛い思い出ばかりが数珠つなぎになって回想されてゆく
回想というと半ば自分で進んで思い出すという感じもあるが
うつ病の場合にはフラッシュバックのように
自分の意志に反して次々に
いままでずっと忘れていた場面さえ思い出されてしまうのである

このことは、うつ病の症状の一つと思われていたが、
このような想起の仕方があるために、
うつ気分になってしまうのではないかとも考えられる

つまり、鬱気分よりも先にうつ場面選択想起という現象があり
二次的に鬱気分が生じているのではないかという考え方である

これは認知行動療法の偏りが気分障害を発生させているという考え方に
よく一致していて、魅力的な考え方だと思う