PuritanismにおけるFree Will

1680年、アメリカ、ボストンにおける
カルヴィンを基礎とするPuritanismの宗教会議の決議録によれば

Free Will(自由意志) 
罪の桎梏から脱した清浄(innocence)な人間にのみ許される、真に神の恩寵(grace)を受けた意志で、善をなす能力。

と定義されている。

哲学で言う自由意志とはずいぶん異なる。

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そのほか、同会議によれば、

depravity(堕罪)
Fall of Man ともいう。人間は原罪(original sin)を負うというのがピューリタン主義の根本思想である。堕罪した者は地獄(hell)に落ちる。

election(選民)
神は愛し子にしか特別の思し召しと恩寵を授けられない。これを神の eternal decree という。アメリカ的 eliticism(エリート主義)の源泉となった思想である。God’s Eternal Decree (Romans 8:29)

Last Judgement(最後の審判)
選民が永遠に救われることを神が決める日。heretic(背信者)には堕罪の日。それがいつか、人間には分からない。

Baptist(バプティスト派)
教会は宗教的体験を持つ個人の集まりであるとする。信仰と生活の規範は唯一、聖書である。

そのほか、メソディスト派、長老派、クェーカー派、ユニテリアン派など。

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宗教的体験を持って初めて「大人」という面があると思う。

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現在のアメリカの大統領選挙で話題になるのは福音派。

Evangelical
自由主義神学(リベラル)に対しての福音主義、エキュメニカル派に対しての福音派
聖書は神の霊感によって書かれ、誤り無い神のことばであるという、聖書の十全霊感(聖書信仰)を信じる
ローマ・カトリックの宗教的包括主義や、リベラルの宗教多元主義はニューエイジ的な偶像崇拝ととらえられている
キリスト教根本主義(キリストきょうこんぽんしゅぎ、英語:Christian fundamentalism)は、米国及び英国プロテスタントの保守的な福音主義(Evangelicalism)である、と一応説明されるが、
第二次大戦後にキリスト教根本主義の弱点を克服するために福音派が台頭したといわれており、キリスト教根本主義と福音派は教会史において別の運動である、とも説明される。
根本信念としては以下
聖書の無誤謬性 (Inerrancy of the Bible)
イエス・キリストの処女降誕と神性(イザヤ7:14) (The virgin birth and deity of Jesus Christ)
キリストの代償的贖罪の教理と、神の恵みによる信仰を通しての救い(ヘブル9章) (The doctrine of atonement)
イエス・キリストの体の復活(マタイ28) (The bodily resurrection of Jesus Christ)
キリストの奇跡の真正性、または、イエス・キリストの再臨 (The bodily second coming of Jesus Christ )

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どうせ審判の日が来るなら、これ以上生きていても苦しいだけなのだから、早く来て欲しいと願う人もいる。
教義を言葉通りに信じれば、そういう結論になるだろう。

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日本でもアメリカでも共通に起こっていること
階級の分離
経済的には中流から没落した貧困層
政治的には数は多いが影響力を行使できない弱者、民主主義社会で多数派なのに、なぜか政治的に無視されている
むしろ、支配層に「操縦されている人々」
様々な心理装置を用いて操作されている

権力者によるインターネットの検閲
誰がテロリストであるかは秘密のうちに決定される、そして殺害することも正当化された例がある

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最初に述べた1680年とは遙かに隔たった地点に立っている

とはいうものの
権力とはいつもそのようなものであったという歴史を指摘する人もいる